K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

枕なしで眠るために

これまた諸事情のために、枕なしで眠らなければならない日々が続いていて、寝床から起きる度に首やら腰やらの鈍痛を感じる羽目になっている私だけれど、どちらかと言えば睡眠中の負荷よりも入眠に時間がかかることのほうが悩みの比率としては大きい。
おかげで寝不足……にはなっていないのだが、予定していた時刻に起床ができなくて困っている。


昨夜の話になるけれど、眠りに落ちるまでしばらくかかりそうだったので、今期のアニメの主題歌をいくつかYouTubeで流していた。
そんなことをしているから余計に眠れなくなるのかもしれないが、科学的な理由よりも経験則的に、私の場合はあまり関係ない気もしている。

聴いていた中で印象的だったのは、虹学のOPとED。アニメで初めて流れたのを見た時から、とりわけ気に入っていた二曲で、あらためて聴いてもよい曲だと思った。
二曲とも、というかアニメ本編の内容からしてそうなのだけれど、これまでの「ラブライブ」とは少し違った雰囲気を感じるから新鮮味があるし、個人的には前の二作よりも今のところ好きかもしれない。
過去曲だとサンシャインの「青空Jumping Heart」と「勇気はどこに?君の胸に!」が攻守最強な感じがして好きだったのだけれど、今作のED「NEO SKY, NEO MAP!」はそれを凌ぐ勢いで脳内リピートが進んでいる。

特定の曲を好きになることなんて昔から数えきれないくらいあって、それぞれに対して気に入った理由を明確に突き詰めて書き表すことなんて、なかなかできるものではない。
「NEO SKY, NEO MAP!」についてもそれは同じで、「好きに理由なんて必要ないでしょ」とはいつも思っていることだ。
ただ、この曲については「本当にこの曲が好きなんだ」ということが自らの身体反応によって理解できる珍しい現象が発生した。というのも、アニメでEDを見て聴いていると、なぜか自然に涙が溢れるような感覚になるのだ。意味がわからないくらい目が潤んでしまう。何に対して感極まっているのか理解できないまま、けれど感情に強く訴えてくる力を孕んだ曲なのだということだけは、何度か聴いているうちに自ずと腑に落ちた。
今年の好きな楽曲ベスト5には入りそうだ。

Twitterで検索してみたら、同様に涙が出てくるというツイートがいくつか見つかった。まぁ似たような現象は他の曲で調べてみても出てくるのだろうけれど……私の身に起こったことが他の人にも起こっているという事実に、なんだが温かさのようなものを感じる。これが、共感というものなのか。
あるいは、自分が素晴らしいと思った曲が別の場所で絶賛されていることで、自らの感性が間違っていないのだという安心感みたいなものを感じ取っているのかもしれない。


心に沁み入るような曲を脳に取り込んだことで、昨夜は結局、無限リピートの果てに就寝した。
きっと、眠っている間にも無意識に再生されていたのだろう。今朝、目を覚ます際にも曲が延々と頭の中で響いていたことを覚えている。

今夜も枕はないけれど、代わりに頭を包み込む素晴らしい楽曲が待っているかもしれないと思うと、眠るのが苦痛ではなくなってくるから不思議だ。
以前は、寝ようと意識すればするほど勝手に流れる曲にうんざりしていたけれど、見方を変えれば真逆の印象を持てる。なぜ曲が流れてくるのかと言えば音色に好感を抱いているからで、だったら開き直って幸せな世界に浸ってしまったほうが、却って落ち着くというものだ。
もっとも、それで眠るのが早くなるわけではないのだから、つまるところ気持ちの問題でしかないわけだが。