K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

変な夢ばかり

夢なんて覚えていないのが基本で、だから何がどう変なのかを語ることは難しい。
起きたその瞬間から、夢の中のイメージは猛烈な勢いで崩壊していく。頭が完全に覚醒状態に切り替わる頃には、すっかりと夢を見ていたことすら忘れてしまっている。
ただ、このところどうにも、頭に残りやすい夢を見ることが多いようなのだ。目覚めたその時、あるいは直前に、その夢が抱える強烈な違和感を心が感じ取る……そんな挙動がある。

 

ああ、これはなんて変な夢なんだろう。
普通に考えたら絶対に起こり得ないような出来事が、夢では簡単に発生する。
ただの夢を明晰夢という不思議な世界に変えることができたら、話はまた変わってくるのだろうけれど、残念ながら私にそういう力はないので、無意識に作られた夢のパワーによってひたすらに振り回されるだけだ。
気づいた時には既に夢の世界は崩れ始めていて、現実世界との境界がくっきりと自覚できるようになる。
まだ、この世界に留まっていたい。そう思うことも少なくなくて、無理矢理にでも睡眠を延長しようと意識することになるが、意思を含む脳の働きは夢の中ではイレギュラーなものだ。仮に、再び眠りにつけたとしても、その夢の形はとこかが変異してしまっている。夢というのは、非常に繊細なものなのだ。

今日の昼寝で見た、夢の中の奇跡を書き残しておこう。そうしなければ、明日にはもう忘却の彼方だろうから。
その夢の内容は、私が四月から取りかかるであろうと見込まれていた、とある仕事についてのものだった。実際にはまだ諸事情によりスタートできていないので、期待と不安が合わさり夢として表れてしまったものだと思われる。
その世界において、私はなぜが両親と同じ空間にいた。それも実家ではなく知らない場所で、夢ならではという感じだが、その両親はLINEのようなもので誰かと連絡を取り合っている。私も、仕事に関して先方からのメッセージを確認している。
あるタイミングで、別の人間に協力を仰ぐという流れになった。まだ私の作業が始まってもいないのに、妙な話だ。
親は相変わらずスマホから目を離さない。無性に気になったから、立ち上がって画面を覗き見た。書かれていたのは私が担当することになる作業についての詳細だ。意味がわからなかった。


……さて、夢の内容を紐解こうとすること自体がナンセンスで、現実世界の話でもないし、私が深く考えたことでもないから意味不明なのは当然なのだけれど、重要なのはどうしてこういう夢を見ることになったのか、ということだ。

夢の材料として必要なのは、なんらかの強い想い……だと仮定すると、なるほど確かに私は仕事や親について、少なからず大きな感情を抱いているのかもしれない。
まだ全容が明かされず、スポット的に力を貸すことになった作業だが、具体的にいつから始まるのか、詳細を聞かされていないものだから不安が募る一方だ。先日、会った際に交わした会話が幻想であったはずはないので、私の管理領域が後回しにされているだけなのは理解している。それでも、約束の日を過ぎて何日も待たされているのは、少しつらいものがある。

親元を離れた生活には慣れてきたが、一人前の生活ができているかと問われれば答えはノーで、このまま一人でやっていけるのだろうかと、モヤモヤした気持ちに陥ることがある。
昨年末から今年の二月頃までは定期的に帰省していたから、多少は栄養状態や精神状態がリセットされていた。しかし、今はもう帰る理由がなくなって久しい。いずれ、私は心身のどちらかが壊れてしまうのではないか……そんな不安に苛まれていないわけではない。
結局、ダラダラと生き続けることはできているし、今後も継続することは可能だと思うけれど、まだまだ自立を果たすには長い道のりがあるのだと感じている。

二つの話は切り離して考えるよりも、一緒に進むものと思ったほうがいいかもしれない。一方が好調に転じれば、もう一方も具合がよくなる。今の私は、どうにも何においてもバランスが悪いのだ。
優柔不断で、決めきれない。好機を逃す。あるいは思い切って決断しても、初動で躓いてじう。どう転んでも悪いパターンにハマっていくこの感じには、なんとなく覚えがある。

夢というのは、なかなか認識することが難しい無意識的な行動の傾向を、端的に示してくれる役割があるのかもしれない。
今の状態の善悪と、今後の直近の流れについての予見。第六感の一種と捉えることもできる。
だとするなら、現在の私は決して良好とは言えないところにいて、どうにか方向性を修正する必要があるということになる。
その具体的な手段は不明だし、下手をすると不安定な足場を崩してしまい真っ逆さまに落ちていく可能性だってある。
けれど、「なるようになる」という考えではどうにもならない気もするのだ。時間がかかってもいいから、ちょっとばかり思考回路を切り替えてみようかと思った。