K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

畳んだ風呂敷を広げたらどうなるのか

食事を適当に済ませる生活が続いていて、何が食べたいとか久しく思っていないのだけれど、流石に生命維持のためには食事を抜くわけにもいかず、毎日とりあえず冷蔵庫を開けて、最初に目についたものを食すことにしている。
しかし今日の昼、冷蔵庫を開けるとほとんど何も入っていないことに気づいた。冷凍庫も同様で、どうやら買い出しに行かなければならないらしい。
おかしいな。つい先日、大量に買い込んだはずなのに。
感覚と実際のズレに困惑しつつも、カレンダーを見て数えてみたら、確かに食料が切れても不思議ではない頃合いだった。

 

外に出ると、正面から突風を食らって辟易とする。
いつもこうだ。面倒な気持ちに打ち勝って、どうにか外出を決めた時に限って風が強い。痩せた身体に強風を浴びると、どこかへ飛ばされてしまうのではないかと軽い恐怖を覚える。
いつだって向かい風で、目にはゴミが入るし、髪型はなかったことになる。
外に出るだけで物凄いエネルギーを消費するのに、こんな仕打ちを受けるなんて、だから外出するのは嫌なのだ。

以前なら大して気にしていなかった些細な出来事が、大きなストレスとなって心身に襲いかかる様は、私の人生をより一層、捻じ曲げることに貢献しつつあるような気がする。
毎日のように出社して、半日近くも時間と体力をくだらない行為に捧げていたあの頃の私は、今から思えば信じられないような存在だったと思うし、もう絶対に戻ることはできない。
そして、それを平然とこなしている平均的な社会人には、もはや頭が上がらない。


帰宅すると、Twitter上では何やら気になる話題が流れていた。
あの『まどマギ』の正統なる続編の制作が決定したのだとか。
個人的には、まどマギというコンテンツに強い想い入れはないせいか、「あっ、やるんだ」程度の感想しか抱かなかった。
無事に公開されたら観にいこうかなぁと思うくらいで、特に肯定も否定もしない。

しかし中には、完結した物語の続編に対して蛇足だと感じる人もいるわけで、私の観測範囲においては賛否が分かれているというか、どうするんだろうな、みたいな意見が散見された。
その点については、わりと興味深い話だ。制作側としても前作の『叛逆』を作る段階で「これが最後」と思って臨んでいたのだろうから、さらなる続編というのは本来なら想定外の動きだったはずで、追加で新しく物語を構築することの壁をどうやって突破していくのかは、個人的な見どころと捉えたい。
世界観やキャラクターの関係性など制限が多い分だけ、また寄せられる期待が大きい分だけ、まったくの新作を生み出すよりもずっと難しいことだろうし、時間が経ってから作られた続編が蛇足でしかなかったという悲しい事態は、おそらく過去にいくらでも具体例が見つかるはずだ。

この何が当たるかわからない世の中で……油断すると設定をコピペして一部を変えただけみたいな凡作が量産される世界において……確実に一定の観客を確保できる「つよい」コンテンツを新たに広げていく試みは理解できるけれど、失敗した時にはすべてを失うことを考えると、はたしてメリデメのバランスが取れているのかどうか。
現時点での不安要素は、内容そのものと最終的な落としどころ、あとはED主題歌をどうするのかという問題くらいだろうか……ここでKalafina復活なんて展開になったら、かなり熱いけれど。