K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

他のゲームをやらなくなった話

半年くらい前だった気がするけれど、ゲームの引退について日記を書いた覚えがある。
楽しんでいたゲームを遊ぶ時間が減り、そのうち起動さえしなくなるのではないか。そういった予想だ。
あまり具体的なゲーム名は出さないが、いわゆるデイリーミッションをこなすだけになったゲームは、「その時」が近い。

 

プレイ時間に対して、新しく味わえるコンテンツの密度が減少していくのは、コンシューマーゲームでは当たり前のことだけれど、定期的にアップデートが繰り返されるオンラインゲームにおいても、それは基本的に避けられない。
個人的な感覚では、遊び込んだゲームほどその傾向が強く、仮にどれだけ魅力的なキャラクターが追加されても、楽しそうな新規イベントが開催されても、いったんモチベーションが落ちて「引退モード」に入ってしまうと、前向きな気持ちで復帰するのは非常に困難だ。

モチベーションというのは、徐々に低下する。
それが一定の閾値を下回った瞬間に、いつの間にか遊ばなくなる現象が発生する。それは、もはや明確な意識を伴った「引退」というイベントではない。
ごく自然に、生活の中からそのゲームに費やす時間が消えていくのだ。
そして遊ばなくなって随分と経ってから、そういえば最近ゲームを起動していないなぁと、もはやモチベーションを取り戻すのは不可能に近い手遅れ状態の中で、その事実に気がつく。

時には、アップデートの内容が面白くないからという理由で、特定のタイミングで強い意思を持って引退を決めることもあるだろう。
ただ、私の場合それはかなり珍しいことで、これまでに辞めてきたゲームのほとんどは、「引退するつもりがなかった」のだ。
矛盾しているようではあるが、気持ちの上では引退していないにもかかわらず、再びゲームに戻る気には一切ならない。
あれだけ時間と労力を費やしてきて、ゲームによっては少なくない金額を注いできたのに、あっさりと関係を断つことができるなんて、考えてみると非合理で奇妙なことかもしれない。
しかし、人間の行動原理は必ずしも論理ではなく、感情や感覚が優先されることが多々あるもので、やる気がなくなったから、というのは至極もっともらしい要因とも言える。


あの日記を書いた頃は、モチベーションの低下を感じてはいるものの、自然に「引退」するほどではなく、辞める理由も見つかっていなかった。
だから、いずれは遊ばなくなる気がしている、という感じで話を締めたように思う。

それから数か月が経過して実際にどうなったかと言えば……某アプリのリリース以降、文字通りまったく遊ばなくなった。
単純に時間的なリソースが別のゲームに移っただけとも言えるが、それにしても急激な変化だった。曲がりなりにも続けていた複数のゲームを同時に「引退」するなんて、それ以前には想像すらしていなかったから、これは革命的な出来事だと思う。
デイリーミッションの消化をしなくなったばかりか、ログインすらしなくなった。いっそ思い切ってアンインストールしてしまっても後悔しないのではないかと思えるくらい、以前は楽しんでいたはずのゲームへの興味が、ほぼ完全に失せたのだ。
自分でも不思議なほどの変化なのだけれど、どうやらこれは主にソシャゲ界隈全体において発生している現象らしく、Twitterのトレンドを見てもはっきりしているし、各アプリのセールスランキングにもわかりやすく表れている。

唯一、復帰する可能性がありそうなのは、ゲームとして同じくらいのパワーを持っている原神くらいのものだろう。
最近追加されたというイベントマップが好評のようで、しばらく離れていたこともあって新鮮な興味を抱くことができた。
今後に予定されている大型アップデートで新マップが実装されれば、かつてのように日課レベルで入り浸ることはないにせよ、たまに遊ぶゲームとして続けていける可能性はある。
そのあたりの実現性は、リアルの余暇と気まぐれのモチベーション次第といったところではあるが。

ふと、それでは現在進行系でハマっているゲームも、いずれは「引退」する時がやってくるのだろうかと思う。
これほど魅力を感じているゲームはかつてないほどで、開始してしばらくの熱量や課金額は圧倒的にトップ、まぁだからこそ冷めた時の萎え方も大きいのもしれないけれど、今のところは完全に遊ばなくなる姿が非常に想像しにくい。
かつて熱中してきた数々のゲームも、そういう時期はあった。だから、今回もきっと例外ではないのだろう。けれど大きな魅力があるだけに、長く続けていきたいという気持ちは大きい。
過去の経験から、それを判断することになるのは、おそらく二年後あたりになるだろう。それまで日記が続いていれば、また似たような記事を書くかもしれない。