K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

よく出来たゲーム

先日、SEKIROを進めていたらエンディングの分岐に関わる選択肢を間違えて、最後のエリアまで行けず途中で物語が終わってしまうルートに入ってしまった。
周回要素があるから2周目に行けば問題ないとはいえ、周回するモチベーションが続くかもわからないし、周回するにしても強化システムの関係で1周目は正規ルートを進んだほうがいいという話だったので、やむを得ず初めからやり直すことにしたのだった。

 

その時点までの所要時間は34時間以上と、ポケモンくらい軽いゲームなら2周はできていそうな時間を費やしているのに、最初から。
今から思えば、よくやり直す気になったものだと感心してしまうくらいではあるが、このゲームの時間がかかる要素のほとんどは屈強なボスを相手に苦戦することなので、慣れてしまえば比べものにならないほど短縮できるのも事実なのだ。

そんなわけで、初見時には覚束ない足取りで地道に進めていった道を、弾きを主体としながらスイスイ駆けていき、およそ12時間でまったく同じところまで辿り着くことができた。
むしろ倒していなかった複数の中ボスから数珠玉を回収して身体力を強化できているから少し先に進んでいるくらいで、純粋に成長したという実感がある。
なお、獲得スキルの数はまったく及んでおらず、金不足気味でアイテム回収も不十分だから、一概に「同じところまで」とは言えないかもしれないが。

道中のモブとは極力、戦闘を避けて、鬼仏まで最短で進むことを念頭に置いていたというのもあるし、身体力と攻め力の強化と順番を効率的に考えながらルートを選んだというのも速く進められた一因ではあるのだが、最も大きな変化は初めからコツを習得しているという点に他ならない。
初見では何度も何度も殺されて数時間は要したであろう相手を、基本的には数回以内に倒すことができた。
特に剣を使う人型の戦闘では顕著に慣れが表れていて、噂には聞いていた弦一郎はザコという話が、なんとなく理解できるような気がした。
一方で、赤鬼や火牛は楽勝というわけにはいかず、同じくらいの時間を使う羽目になり、必ずしも最初の周回での経験が活きていない場面もあったので、まだまだ成長の余地はあるということかもしれない。

 

このゲーム、本質的にゴリ押しが通用しないため、敵の攻撃のタイミングが掴めないうちは「こんなん無理やんけ。詰んだ」となるわけだけれど、弾くことを覚えてからは絶妙に戦えるようになるバランスが保たれている。
そして、カキンカキーンと弾いた後に致命を取る爽快感は独特のもので、他のゲームでは味わうことができない。

今、目の前に強敵が現れたとしても、殺されまくって挑み続けていれば、そのうちパターンを見切って余裕で倒せるようになるのではないか……そんな希望が常に持てるゲーム性なのだ。
まぁだいぶ余計に時間を吸われてしまったけれど、買って良かったと思うし、このまま最後まで楽しんでいきたい。