K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

育成ノイローゼ

明日はいよいよウマ娘のチャンピオンズミーティング・キャンサー杯の決勝だ。
結果を含めた諸々の過程を書くのは時間的な都合から明後日にするつもりでいるが、本日で準備(育成)が終了したので、少し所感を残しておこうと思う。
まぁ端的に言えば、地獄のような期間だった。

 

まず、今月のチャンピオンズミーティングは先月までの二回と異なり、告知が二週間近く遅かった。
実際、開催時期も同じくらい後ろにズレ込んでいるため、条件が判明してからの準備期間には大きな違いはなかった考えている。

一方で、勝つために要求される工夫は段違いにレベルが上がったというのが事実として存在していて、相対的に時間が足りないという問題が発生した。
運に恵まれた強者はそれほど苦労していない可能性もあるが、そんな人間は一握りであり、ほとんどのガチプレイヤーは延々と繰り返される下振れ育成の中から僅かな上振れを拾うために、想像を絶する苦行を強いられる羽目となった。

なぜ、このような事態になったのかと言えば、ルームマッチの存在が大きい。
どういったウマが強いのか、脚質分布や展開の違いによって何が起こるのか、有用なスキルはなんなのか……これまでは回数の限られた予選で走らせてみることでしか得られなかった未知数の情報が次々と詰められていき、開催される前からメタが回り続ける環境となった。
もちろん、ルームマッチを主に使っているのは熱の入ったプレイヤーがほとんどで、ライト層は滅多に見かけないので勘違いしてしまいがちだけれど、あそこは決勝レベルかそれ以上の魔窟だ。
ようやく完全したと思ったウマがまったく歯が立たない、なんていう悪夢を見るのは簡単で、ある意味で実践的ではないかもしれない。

予選ラウンドを遊んだ感じでは、知識や時間の足りない一般人の勝率は過去二回と比べても圧倒的に低い印象を受けた。
二週間前から着々と因子周回や育成を進めている人間が勝ちやすくなるのは当然の話で、ゲーム仕様への理解やレースのデータが揃ってきた今回は、その差が大きく出る環境となったわけだ。
……頑張った人ほど結果が出やすい。確かに聞こえはいいかもしれないが、しかしながら実態は微妙に異なるものだった。

メタが回りまくった結果として浮かび上がった有力バたちは、前の脚質から順に、セイウンスカイスマートファルコンエルコンドルパサーグラスワンダーウオッカ)・ナリタタイシンゴールドシップ)、という具合となった。
他にも役割を持たせれば活躍できるキャラクターはいるけれど、私の観測範囲においてはルームマッチや予選で勝つのは、ほとんどが上に挙げたウマに限られていたように思う。

特に厄介なのがエルコンドルパサーという存在で、事実上キャンサー杯においては世界最強と断言してもいい。ただし、ステータスとスキルを十分に盛れている場合に限るけれど。
そんなわけで、とりあえず妥協できるスマートファルコンを育成した後は、エルコンドルパサー育成という無間地獄に突入した。
何が大変なのか。それはもう、ステータスを確保しつつ必須スキルを揃える乱数に勝たなければいけない運ゲーに他ならない。
因子継承でマイルSや芝Sを回収することも重要で、通さなければならない要素が多すぎるのだ。これに精神をやられない人がいるのなら、メンタルが強すぎるか鈍感かのどちらかだろう。
結局、ほとんどの人間は何かしらの要素を落としながら妥協できる育成を終えて、不安を抱えながらレースに送り出していくことになるわけだ。見方によっては、本物の競馬に近いハラハラドキドキ感はあって、面白いと捉えることはできそうではある。

さて、そこまでやっても、なお簡単に勝つことはできない。
負け筋はいくらでもあって、たとえば出遅れ・スキル未発動・乱数による競り負け・加速スキル発動タイミングのガチャ・枠順、などなど考えていくほど勝てる気がしなくなってくる。
純粋にステータスで殴れた長距離とは違って、マイルという距離はスキルへの依存度が非常に大きいことから、どれだけ突き詰めても展開や運による負けが発生しうる。
これもまた育成を苦にする一因であって、限界まで強くした個体が負けるのなら仕方ない運ゲーだと思って諦めることはできるけれど、甘えて負けたらもっと努力できたはずだと後悔し続けることになる。

 

そんなわけで、私は頭がおかしくなってしまった。もうピュアな心でウマ娘を楽しんでいた頃には戻れないかもしれない。
もちろんコンテンツそのものに対してではなく、育成からの対人戦というラインに限定した感情ではあるが。

今回ばかりは本当に自信がない。
エルが外枠を引き、ファル子が内枠を引き、差しが豪脚を完璧なタイミングで発動させることを祈るのみ。
人事を尽くして天命を待つ。今はそんな気持ちだ。