K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

マイルチャンピオンシップ2021回顧

現役最強マイラーとして名を馳せていたグランアレグリアだけれど、引退レースとなる今回も圧巻の走りだったと言っていいだろう。
もともと実力に疑う余地はなかったものの、臨戦過程や馬体、追い切りの具合などからマイナス要素がないわけではなかった。しかし、結局は不安を感じさせないレース運びで完勝したわけだから、もう素直に拍手を送るしかない。
私はオッズに目が眩んで飛ぶことを期待してしまっていたから、反省しなくてはならない。

 

定期的に学ばされていることではあるが、GⅠで優れた結果を残していて明らかに飛び抜けた能力を持つと思われる馬が出ている時には、ましてや有力馬が複数出走する場合においては、極端な荒れ模様を狙うべきではないのだろう。
先週のエリ女は、ずば抜けた力のある馬がいなかったというだけの話だ。
レース前には馬場状態が云々と御託を並べて、オッズが付く馬券を組み立てることに時間を割いていたけれど、上位と下位に大きな能力差があるのであれば、たとえば大阪杯のような雨の重馬場といった例外的な状況でない限り、複雑に考える意味なんてないのかもしれない。
蓋を開けてみれば、非常にシンプルなレースだった。

それにしても前走、秋天であれだけ先行したにもかかわらず、今回は末脚を活かせるように終盤まで控える形となったのは予想外だった。折り合いがつかず前に出ていきそうだから、外枠といえど有利に働かないのでは……などと思っていたのだが、強い馬というのは不思議なものだ。ここぞというレースでバッチリ調子を整えてくる。
中2週の疲労があったのかどうか素人目にはわからないけれど、その程度の減点では影響がなかったということなのだろう。
グランアレグリアの勝ちレースは、どれも強烈であるがゆえに、競馬というのはこんなにも簡単なのかと錯覚してしまいそうになる。
数年後、彼女の能力を受け継いだ馬が走るのが、今から楽しみになった。

 

さて、2着に入ったシュネルマイスターだが、この馬も相当に強い。実質的には、グランアレグリアと遜色ない能力があるようにも見えた。
内枠から出てずっと荒れた内側を通って、最後は追い出しが遅れた分だけ届かなかったという印象だ。もし真ん中より外側の枠だったら、そしてもう少し早く脚を使えていたら、逆の結果もあったのではないか。
来年のマイル戦線は、ひょっとするとこの馬の一強体制になるかもしれない。

ダノンザキッドは発汗が目立っていたので今回も駄目かと思っていたら、まさかの3着。ハナ差とはいえインディチャンプに先着しているあたり、やはり3歳世代のレベルが高いのか、あるいはインディの衰えが大きいのか……いずれにせよ最優秀2歳牡馬としての輝きは、まだ失ってはいないような気がした。
上位2頭と比べたら絶対的な存在とは言いがたいものの、今後もレースによっては十分に検討の対象にはなりそうに感じる。

期待していたサリオスについては、最初から心中するつもりだったから後悔はないけれど、流石に評価を落とすことになるとは思う。
陣営の意気込みや工夫が伝わってきただけに、残念ではあるが……この馬が勝てるレースは今後どこかにあるのだろうか。
グランアレグリアの位置で競馬ができていれば、頭は微妙でも馬券にはなった気がするので、どうにも能力と展開が噛み合わない不運な馬という印象がより強くなってしまった。
まぁ圧倒的な能力を見せつけるタイプでないのは明らかなので、次に買うことがあるとすれば、適性と枠順がこの上なくハマった場合に限定されるだろう。
来年、もう一回り成長して一花咲かせてほしいというのが本音ではある。厳しいだろうが。

今回、馬券はグラン軽視のサリオス軸だったので当然ながら不的中となり、これで何連敗かわからなくなった。本当に下手くそすぎる。

マイルCS_3連単マイルCS_3連複

回収率自体は凱旋門賞3連複のおかげで極端に悪化はしていないものの、的中率はランダムに買ったほうがマシというレベルで悲惨な有り様だ。
来週は大好きなコントレイルの引退レースなので、今のところ頭固定でしか考えていないわけだけれど、念のためシャフリヤールにも重い印を打っておいたほうがいいだろうか。
というかシャフリヤールも好きな馬だから、コントレイルとの比較自体がとても複雑な心境になって悩ましいのだが。
ちなみに両方とも負けたら、しばらく賭け事としての競馬は引退しようかと思う。