K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

本格治療開始

昨日は起床について不安を書いていたけれど、なんだかんだ7時台には目を覚まして起きることができた。もっとも、深い眠りに成功したかどうかは別の話となる。
世間では勤労感謝の日という祝日らしく、今の私にとっては最も関係のない一日と言ってもいい。昨日や一昨日、それから明日と比べても何かが変わることなんてない。外に出ると人の多さに憂鬱感を覚えるくらいのものだ。
数少ない、予定が入っている日。目的地が歯医者でなければ、もう少し明るい気分になれたのだろうか。

 

およそ一か月前の出来事だが、歯痛を感じて虫歯の疑いがあったため、近場の歯医者に通うことにした。
レントゲンなど基本的な検査を行い、虫歯であることが確定した初回の治療では、ひとまずドリルで虫歯を取り除いて薬液を注入し、患部を粘土状のもので覆う処置を受けた。
虫歯は神経に到達していたらしく、複数回にわたって内部の洗浄が必要とのことで、それなりに期間を要する。十日に一回くらいのペースで通院して、削った奥歯の状態を治療に向けて整えてきた。

今日は治療前に、今後の流れについて説明を受けることになった。
現在治療中の歯は二か月弱の時間がかかるようで、また別の箇所にも虫歯が見つかったから、状態に応じて治療を進める必要があるという話だった。
神経の根っこを消毒して細菌を取り除き、空洞を埋めて周囲を覆うようなものもあれば、軽く削ってから特殊な素材で形を整えたら終わる軽度のものまである。

広い範囲を削った場合は被せる物質が必要になるのだが、最近は銀ではなく、金やセラミックを使うのが推奨されているのだとか。
そもそも銀歯を用いているのは、先進国で日本だけという話もある。にもかかわらず、保険が適用されるのは銀歯のみという……一応、費用に関する説明もあったけれど、予想していた通りに、それなりに高額であることが判明した。
このあたりの法律整備は、日本らしく時代錯誤感がある。高い保険費用を払っているのに、長い目で見ると損をしている気しかしない。

素材の選択はもう少し後になるということで、今日は資料だけ渡された。
わりと節約して生きている人間だから急な高額出費は痛すぎるのだけれど、歯というのは健康的な人生の相棒に等しいわけだから、多少は目を瞑るしかないだろう。セラミックにも二種類あって、高いほうにするか安いほう(それでも高い)にするかは、しばらく考えたいところではある。

 

今日の治療は、奥歯の内部にある神経の消毒がメインだった。
中をグリグリと掻き回されているような感覚はお世辞にも気持ちいいものとは言えず、そんなに強く動かして大丈夫なのだろうかと心配になるくらいではあったが、先生の話によると八割方は完了したということだった。
次回も同じような治療を行い、その次から土台を作って被せ物を使う流れになる。
口の中を他人に弄られるのは、以前に受けていた矯正治療で慣れているとはいえ、神経を取ったり別の物質に置き換えたりと新しい体験もあるから、気が重くならないこともない。
正直、全身麻酔の末に一回で全部が終わるのなら、そちらのほうが楽というものだ。鈍痛を伴いながら口元に力が加えられる治療が何度も続くかと思うと、なかなか歯医者に行こうとしなかった過去の楽観的な自分を恨めしく感じないこともない。

神経を触っただけあって、今日は初回の治療後に似た微妙な痛みが残っている。前に貰った痛み止めがあるから、今夜は飲んで寝ようかと思う。
それにしても、相変わらず片側の奥歯でしか咀嚼できないため不便極まりないし、ますます食事というものが億劫になる一方で痩せに拍車がかかりそうだ。
どうせ相手がいないし機会なんてないだろうけれど、当分は外で食事するのを躊躇ってしまう。仮に知人から忘年会や新年会などの誘いがあったとしても、快く参加というわけにはいかなさそうだ。