K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

有馬記念2021回顧

一年を締めくくるのにふさわしいレースだったと思う。
5番人気までが掲示板を占める決着となり、収支はともかく馬券が的中した人は多いことだろう。強い馬の強い走りが見たい……できれば当たるとなお嬉しい……そんな私のささやかな願いが、見事に実現した。
回顧を書くにあたってパトロールビデオを見ていたのだけれど、とにかく感じたのはエフフォーリアがハチャメチャに強いということだ。武史、おめでとう。

 

スタート後、隊列が決まる最初の3コーナーから4コーナーにかけて、騎手たちによる高度な駆け引きはあったと思うが、大方の予想通りの並びで中盤を進める展開になったように見えた。
逃げ馬のパンサラッサが数馬身のリードを取り、タイトルホルダーが続く。その後ろに有力な先行馬が連なり、後方に差し馬が固まる形は脳内シミュレーションそのものと言っていいくらいで、意外に思ったのはシャドウディーヴァの位置とキセキが落ち着いてレースをしていたことくらいだろうか。
逃げも大逃げというほどではなく、ペースはやや速いくらいの平均ということで、序盤から終盤まで脚を緩めるタイミングが少なく上がりのかかる流れだったから、スタミナのない馬にとっては厳しい競馬だったように思う。
しかし一方で、直線の短い中山らしく先に抜け出した馬が後方に控えていた馬よりも物理的に有利ということもあって、一発を狙っていた能力の足りない差し馬は届かなかった。上がり最速タイのステラヴェローチェは惜しかったけれど、もっと前の位置から同じ速度でスパートをかけるエフフォーリアは本当に化け物じみていると言っていいだろう。

中盤の位置取りについては、福永先生が言っていたようにディープボンドの後ろくらいがベストだったようだ。そして向こう正面でその位置を確保していたのはクロノジェネシスだった……が、その横にはキセキ、さらに真後ろにいたエフフォーリアが徐々に外に持ち出して進出してくることで、クロノジェネシスは少し閉じ込められるような形になってしまった。こういうのを競馬界隈では、一般的に「マーク」と言うのだろうか。両者が逆の位置関係だったらどうなっていたのか、やはりエフフォーリアが勝つような気もするけれど、序盤に決まる要素が終盤の展開に大きな影響を与えるというのは、見ていて非常に面白い。
エフフォーリアは、中盤以降ずっと外側を回っていた。他のレースを見ている感じでは、中山の馬場状態は阪神と違って内と外が極端に異なるわけではないようだし、被されず楽に走れるとはいえ距離のロスは大きいだろうから、これで勝ちきるのは強い馬しかできない。

ずっと経済コースを回っていたから単純比較はできないものの、斤量差を考慮すると3/4馬身差で2着のディープボンドも相当に強かったと思う。
3歳時にはコントレイルの護送船団呼ばわりで悔しいレースばかりだったこの馬が、4歳になって重賞を勝ち、海外でも結果を残して、いよいよ本格化の兆しを見せている。コントレイル世代が好きな私にとっては、他の世代と比べて活躍馬が限られる印象があるため、ここで力を見せてくれたことは素直に嬉しい。
来年は春天を筆頭に、阪神や中山の持久戦で好走してくれそうなので、積極的に軸として検討したい馬になった。

 

馬券については、いつもは3連複ばかりの私が、今回は馬連を購入した。
というのも、有馬記念馬連の払い戻しが5%UPするというキャンペーンが行われていて、普段よりもお買い得だったのだ。
エフフォーリア軸で、予想記事に書いた馬を中心にオール馬連。普段は面倒くさがってフォーメーションやながし馬券にしてしまうところを、今回は回収率向上のため、トリガミにならないよう傾斜をかけて買うという、珍しいことをした。

有馬記念_馬連

今日の回収率は174%という結果だ。
年間を通じて、毎回これができるなら購入額を増やしたいし多少は自慢もできるのだが、現実はギリギリ100%に届かない程度なので、やはり3,000円上限で遊ぶくらいがちょうどいい。

明後日のホープフルステークス次第では、なんとか年間100%を達成できそうなので、是非とも当てたいところだ。

 

エフフォーリアは、これで文句なしの年度代表馬となるだろうが、もし来年の主要GⅠを総なめにするようなら、一気に歴代最強馬論争に入ってくることになりそうだ。
そして現状、これを上回る馬が日本の競馬界には存在しない。多くの名馬が引退したこともあって、ひょっとすると一強体制が築かれるのではないか。
現2歳の中から新しいバケモンが出てくる可能性もあるが、高速の府中でも時計のかかる中山でも強いなんて、流石に規格外すぎる。さらに、まだ成長の伸びしろを残しているのだから……もう引退するまで単勝1倍台でしか買えないだろう。

 

最後に、今日で引退となるクロノジェネシス、そしてキセキ、お疲れ様でした。
記憶に残る印象的なレース、感動的なレースをありがとう。