K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

集中力と回復力

よく歳を取ると集中力が続かなくなる、若かった頃に比べて集中の質が落ちる、といった嘆きを目にする。
ここでいう年齢を重ねるということが、いったい何歳くらいを意味しているのか知らないけれど、確かに実感として、幼少期、小学生時代、中学生時代……と段階ごとに記憶を比較していくと、多かれ少なかれ程度に差はあるような気がする。
とはいえ機械ではないのだから、あるタイミングで急速に能力が変化するということはあまりなく、成長や衰えの度合いは年齢ごとに違いはあれど、徐々に進行していくものなのだろう。

 

現在の私がどうなのか考えてみたが、主観的には特に集中力が落ちたという感覚はない。
嫌なことであったり気が乗らなかったりすれば、集中してパフォーマンスを発揮するのは難しいかもしれないけれど、興味を持って意欲的に取り組んている場合には、たとえば十年前も今も最大値は変わっていない……ように思う。
厳密に比べることはできないから、あくまで主観的な話だ。
持続時間についても同様で、ひとたび集中モードが始まれば食事も睡眠も忘れてしまうほど、自分でも不思議なくらいに体力を感じる。
馬で言うところの、長く良い脚を使える、といった感じかもしれない。

一方で、集中モードが終了した後の反動について考えていくと、明らかに以前よりも大きくなったように思う。
学生時代がわかりやすいが、昔は7時間も眠れば翌日また同じような調子で臨むことができたのだけれど、近年は回復に時間がかかるようになった。
次に最大限の集中力を出すためには、数日間隔を空けるか、少なくとも10時間ほどの睡眠を要するようになってきたのだ。
こちらも馬で例えるなら、連戦では結果を出しにくく休養明けのほうが好ましいといったところだろう。

 

集中すると体力を消費する。
ここで問題なのは、十年前と現在で体力の最大値が変わったのか、あるいは回復力が落ちたのか、どちらなのかということだ。
目の前の課題を余力を持って乗り越えられる体力がある状態を万全であると見做すなら、一回の集中で体力が空になってしまえば当然エネルギー充填のために間隔が必要になるし、あるいは翌日までに十分な回復ができなくても間隔が必要になる。
どちらも、なのかもしれないけれど……個人的には生活上の他の営みにおける問題点などから推測するに、後者である可能性が高い。

別にバテバテというわけではなく、ちょっと頑張った程度のエネルギーを消耗したとする。まだまだ余力はある状態だ。
しかしながら、体調が完全に戻るには一晩の休眠では足りないことが、どうにも増えてきたような感触がある。思い込みの可能性もあるけれど、回復力が落ちたと仮定するなら、想定の不調について実状に則した解釈ができそうに思える。
もちろん体力の最大値も落ちてはいると思うのだが、これはどちらかと言えば衰えよりも、運動不足によるところが大きいだろう。

そういうわけで、今後の体調管理にあたっては、その日にどれだけの疲労を蓄積したのかをじっくり考えて、どれだけ眠れば翌日にポジティブな目覚めを迎えられるのかを計算したほうが良さそうだ。
なるべく早く起きたいからと、無理をして5時間睡眠なんかを目指しても、結果的には悪いことしか起きない。下手に具合を悪化させるくらいなら、昼過ぎまで起きないようにする工夫も肝要だろう。
まぁ時間的拘束が滅多になく、外出の予定が少ない私だからこそ試行錯誤できるわけで、せっかくだからその特性を存分に活かしてみようと思ったのだ。