K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

ゆうゆう窓口へ

そういえば、先日のいつだったか忘れたけれど、簡易書留が送られてきたことを思い出した。
その日、郵便局員が訪ねてきたことにはすぐに気づいたのだけれど、いきなりの訪問に応答できるほど、私は在宅時の身なりに気を遣っていない。
髪型はあってないようなものだし、そもそも服装が他者に見られることを想定していない。また、玄関付近も非常に散らかっていて、迂闊に扉を開けたら恥をかくことが明らかなので、アポのない人間に対しては基本的に無視を決め込んでいる。

 

郵便受けを見ると、不在通知票が入っていた。保管期間はおよそ一週間、それまでに再配達を要求するか、郵便局まで取りにいく必要があった。
上に書いたように、短時間であっても私は他人の訪問に応えることに対して心理的な抵抗感が強いため、多少の手間は許容してでも自ら受け取りにいくほうが、楽だと判断した。
このところ天候が不安定で、外出するための動機付けが不足していた感があるけれど、ちょうど今日は台風と台風の合間であり、時間さえ間違えなければ大雨に見舞われるリスクは低そうだった。
暑くはなく、寒くもない適度な涼しさがある。本当に、年中これくらいの気候であればいいのに。

荷物を保管する郵便局は、地域の取りまとめをしている比較的大きな施設であり、家からは多少の距離がある。
とはいえ徒歩10分そこそこだから、別に大変ということはない。駅前まで行くのと、ほとんど変わらない距離感だ。
以前にも一度、荷物を送るために赴いたことがあった。意外と実家にいた頃から、なんだかんだで年に一度くらいは郵便局に用が生まれている気がする。

さて、わざわざ受け取りにいくアイテムが何かという話だが、これは来週末に控えている、とあるイベントのチケットだった。
昨年も参加した、もはや私の中では恒例になっている数少ないリアル参加型イベントであり、まだ間近に迫っているという実感は湧かないものの、徐々に楽しみな気持ちが増してきた。
決して安い代物ではないから、このまま忘れて放置するわけにもいかない。放っておいたら、処分されてしまうのだろうか。余談だが、失念したら取り返しのつかないことになるような性質の「覚えておくべき事柄・予定」に関して、私は失敗したことがない。その手の「タスク」は常に思考の端に留まっていて、期日が近づくに連れて存在感が大きくなっていくのだ。私に手帳が不要な理由でもある。

受け取りの際には免許証などで身分確認が必要で、さらに署名も求められる。
スマホやPCで文字を入力することは日常茶飯事だけれど、いざペンを渡されて書けと言われると、なかなか上手く文字を表現することができなくて焦ってしまう。
学生時代には手が痛くなるほど紙に書いたというのに、今では年に数回しか機会がないのだ。漢字は忘れるし、かつて「きれい」だと言われたバランスの整った字は、もはや私の手で成立させるのが難しくなっている。
まぁ結局は鈍っているだけなので、再び習慣化すれば元に戻るとは思うけれど。

 

目的を達成し、ついでに途中でスーパーに寄って飲食物の買い足しを行い、帰宅した。
誤算だったのは、ほんの30分ほど外に出ていただけだというのに、自分でも驚くほど身体が疲労感を訴えてきて、まだ夕方だというのに眠ってしまったことだろう。ベッドまで足を運ぶ気力すらなく、そのまま床に転がって気絶するように意識を落とした。
次に起き上がったのは21時を過ぎたところで、しかしながら眠気は収まらない。口の中が気持ち悪かったので歯磨きだけ済ませて、今度は布団に直行する。
せっかく受け取ったチケットの確認もせずに、再び深い眠りとらわれる羽目になった。

こうして、当然のことながら日記の更新時刻には睡眠中につき間に合わず、深夜にのそのそと目を覚まして、早朝にかけてなんでもない文章を手癖で書いている。
何もないなりに文字で埋めることにも、随分と慣れたものだ。