K's Graffiti

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ジャパンカップ2022予想

久々に国際招待競走らしく実績のある外国馬が集まったジャパンカップだけれど、一方で日本馬のメンバーレベルは近年の中で最も低いと言えそうな状況であり、レースに対する楽しみという意味では先週のマイルCSや年末の有馬記念と比べると、どうにも一段落ちる感覚がある。
それでもGⅠはGⅠだし、賞金額やレースの格は日本最高クラスなので、いい加減な気持ちで出してくる陣営はいないだろう。いったんレベルは置いておいて、真剣勝負が見られるという意味では予想する甲斐があるかもしれない。

 

府中の2400mは、秋天の2000mや阪神の内回り、あるいは中山などよりは、わりと実力通りに決まりやすい特徴がある。
もちろんCコース替わり2週目ということで内枠が有利な傾向はあるし、実際にジャパンカップは内枠の成績が抜群に良いというデータはあるものの、必ずしも外枠が来ないというわけではない。
大外となると流石にロスが大きい気もするけれど、馬券内という観点で考えるなら内外の差を極端に捉える必要はないのではないかと思っている。
トラックバイアスは、秋競馬の中では最も少ないという認識だ。

1⃣枠①番 シムカミル
1⃣枠②番 オネスト
2⃣枠③番 ヴェルトライゼンデ
2⃣枠④番 トラストケンシン
3⃣枠⑤番 グランドグローリー
3⃣枠⑥番 ヴェラアズール
4⃣枠⑦番 テュネス
4⃣枠⑧番 デアリングタクト
5⃣枠⑨番 ユニコーンライオン
5⃣枠⑩番 ハーツイストワール
6⃣枠⑪番 カラテ
6⃣枠⑫番 シャドウディーヴァ
7⃣枠⑬番 テーオーロイヤル
7⃣枠⑭番 ダノンベルーガ
7⃣枠⑮番 シャフリヤール
8⃣枠⑯番 リッジマン
8⃣枠⑰番 ユーバーレーベン
8⃣枠⑱番 ボッケリーニ

またしても完全ランダムなのか疑いたくなるような枠の並びに、JRAの意図を邪推したくなってしまうところだが、それにしても外国馬の内側への偏りは凄まじい。
せっかく国際厩舎を作ったことだし、来年はさらに賞金が上がる。今年だけでなく、継続的に海外から有力馬に参戦してほしいという考えが強いからこそ、有利と言われている内枠に外国馬が集められた……なんてことがあるのだろうか、どうだろうか。

パッと見た印象では、勝ち負けに関わってきそうな馬は、おそらく内枠と外枠に分かれたのではないかと思った。
外国馬はよくわからないので日本馬だけで言うと、前者はヴェルトライゼンデとヴェラアズール、後者はダノンベルーガとシャフリヤールだ。
いずれも状態面が良好という前提で、展開の助けがあれば勝ちきるだけのポテンシャルは持っているであろう馬たちで、基本的にはこの4頭が馬券を考える上では選択の軸になると思う。あとは、復活を期する人間の支持でデアリングタクトが人気上位に入ってくる。
当日までにいくらでもオッズに変動はあるだろうけれど、上位5頭を構成する馬は最後まで変わらないのではないだろうか。

 

今回、私の予想はシンプルだ。
一応、印は置いておくけれど、いかんせん自分の評価を信用できないところがあるため、今回は軸を決めない形で馬券を購入することになるかもしれない。

◎シャフリヤール
◯ダノンベルーガ
▲ヴェラアズール
△ヴェルトライゼンデ
オネスト
△シムカミル
△グランドグローリー
☆デアリングタクト

シャフリヤールの本命は天皇賞の前から決めていたことで、前走から現在までの間に著しく評価を下げなければならないネガティブな情報は出ていないため、変わらず本命という判断になる。
理由は簡単で、距離適性とコース実績において出走メンバーの中では最も優れているからだ。
前走の秋天では、パンサラッサを除いて直線の究極的な上がり勝負になった結果、より鋭い末脚を使える馬の後塵を拝する結果となってしまったが、ジャパンカップは距離が長くなる分だけ上がりがかかるようになるため、仮に似たようなスローペースで進んだとしても、それほど遅れを取ることはないと考えた。
できればミドルペースからの5F持続力勝負になると理想的だが、そうでなくとも府中2400mで作られる展開においては、幅広い好走パターンを持っているはずだ。
もちろん馬が終わっていたら話は別だけれど、もし普通に力を出せるとしたら、この条件で馬券外に飛ぶとは考えにくい。

ダノンベルーガについては、距離への不安をどう考えるかだけれど、仕上げすぎてレース前から消耗していたダービーであれだけ走れたのだから、精神面さえ万全ならば問題ないはずだと考える。
この馬は秋天で好走したように、あまり流れずスローになったほうが実力を出せるタイプだろうから、シャフリヤールが強い勝ち方をする展開になったら厳しいかもしれない。逆に、最終直線まで脚を温存できるペースだったら連対するだけの力はあるはずだ。

ダノンベルーガ向きのレースになったとして、よりパフォーマンスを上げそうなのがヴェラアズールという馬で、なぜダートで使われていたのかわからないくらいキレる末脚を使える、エイシンフラッシュ産駒だ。
父親に似て、使える脚は一瞬かもしれない。後方から一気という、ハマれば爽快な走りを見せてくれるタイプであり、絶好枠を引いたことや、ムーア騎手が騎乗することなど、プラスに捉えられる要素が合わさった結果、まさかの1人気になろうとしている。
直前になれば変わっている可能性は高いけれど、有力視したい私も過剰人気感を覚えているため、馬券的には難しい馬かもしれない。

ヴェルトライゼンデはコントレイル世代のダービー3着馬で、怪我さえなければサリオスやディープボンドと同様に競馬ファンから広く愛される存在になったかもしれない馬だ。
長い休養明け、いきなり重賞を制覇するあたり実力は確かなものがあるし、内枠でレーン騎手というところも期待できる。
まぁ能力面だけでなく、好走するところが見たいという純粋に応援する気持ちから馬券に含めたいと思っている。

外国馬は、無駄に点数を増やすだけだからと全消しでもいいかと思ったのだが、今年に関して言うと過去の凡走した馬たちよりも多少はチャンスがありそうに思えたので、やや取捨に迷っている。
オネストは血統的に不向きではなさそうだし、凱旋門賞で大きく負けたということは、逆に日本の馬場に対する適性が高い可能性がある。何より、内枠でルメールというだけで無条件で買わなければならない。もっとも、スピードについていけず見せ場なし、というビジョンも普通に見えてしまうから、紐よりも評価を上げることはできないが。
期待度とオッズ妙味ではむしろ、シムカミルのほうがマシかもしれない。この馬は当初からジャパンカップが目標であり、どうやら追い切りなどか判断するに日本向きのスピードタイプということらしく、軽視しにくくなった。
そして昨年5着の実績馬であるグランドグローリーは、昨年の1,2着馬がいない本レースであれば順当に繰り上がって3着までは可能性があるから、なかなかに難しい。今年こそジャパンカップが引退レースの予定みたいなので全力で走るかは微妙なところだし、状態面は昨年に劣るということだから、本音を言うと消したい。

最後に、重馬場のエリ女から中1週という現代競馬には珍しいローテーションで参戦してくるデアリングタクトだが、どうか無事に怪我なく回ってきてもらいたいと思っている。その上で、もし馬が全力で走れるのであれば、ロマンを願ってしまうのが人間というものだろう。
本当に故障しないことが大前提ではあるが、しっかり追えるマーカンド騎手の腕で三冠牝馬の真の姿を再び見せてほしいという気持ちを、私は否定できそうにない。

評価しなかった馬の消し理由も軽く書いておくと、トラストケンシンとリッジマンは流石に実力不足、テュネスは昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソの弟であり血統的に重すぎるから馬場が合わないと判断、ユニコーンライオンは距離不安もあるがそもそも逃げで上位に残るのはキタサンくらい強くないと無理、ハーツイストワールやカラテやボッケリーニはGⅡまで、シャドウディーヴァは年齢的に厳しく、テーオーロイヤルは距離が短い、ユーバーレーベンは展開が向いたオークス以外で強い競馬ができていないため古馬混合GⅠでは上手くいっても掲示板まで……といった所感だ。
ただ、ボッケリーニに関しては追い切り抜群なので、馬体重やパドックの気配次第では紐に含めるかもしれない。

■3連複 フォーメーション(13点)
⑥⑭⑮-⑥⑭⑮-①②③⑥⑧⑭⑮