K's Graffiti

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馬体を見る

素人も素人なので、ここでは専門的なことは何も書けないけれど、競馬を楽しむための要素を増やしていこうと思い、今年から馬体に注目することにした。
以前からGⅠレースの前にはフォトパドックを予想の材料にすることはあったのだが、知識がないので具体的に良い悪いという判断はできなかったし、なんとなく雰囲気を察するくらいのものだったので、今後は馬の成長度合いや調子などを少しでも見極められるような目を養っていきたいと考えている。

 

本格的に勉強するとなると、専門書を読み込んだ上で大量の馬体写真から実際の走りまでを観察していき、馬体に関する判断基準を体系的に習得していくべきなのだろう。
しかしながら、馬体に興味があるとは言っても、そこまで猛烈な熱意が湧き上がっているわけではない。ただ競馬を今よりも楽しめるようにしたいというだけなので、現実的にどれくらいの意識で向き合っていけばいいのかは、まだ模索中だ。

一応、詳しい人が馬体について語る時に使用する専門用語については、おおよそ把握している。
頻出ワードは、すなわち重要なポイントであることを意味しているのだろうから、馬体初心者として最初に覚えるべき「よい形」を見出す箇所は、なんとなく頭の中にはある。
趣味レベルで効率的に学習していくのであれば、過去の名馬の写真を用いて、時期による変化や各レースのパフォーマンスを比較していき、どういう馬体が理想的な走りに結びつきやすいのか、自分の中にイメージを構築していくのがよいだろう。

とはいえ、人間の身体が千差万別であるように、強い馬にもそれぞれ個性があり、各々のバランスがあり、パーツの配置や形状や大きさが異なるだろうから、必ずしも正解が見えてくるわけではないかもしれない。
そもそも馬体だけですべてがわかるのであれば、競馬なんて簡単になってしまう。実際にはそうではなく、たとえ馬体の専門家であっても予想と結果が乖離することなんて珍しくないわけで、一見すると素晴らしい馬体なのに走らない、あるいは形が悪いのに不思議なほど強い走りをする、なんてことも日常茶飯事に違いない。
つまり馬体というのは、枠やトラックバイアスなどと同様に、レースで結果を残せるかどうかに関わってくる無数にある要素のひとつに過ぎないのだろう。
馬体だけでは決まらないし、けれど馬体を無視するわけにもいかない。そこには、走りのパフォーマンスを予測するための論理的な根拠が、確かに潜んでいるはずなのだ。

 

素人ではあるけれど、本当に素晴らしい馬体というのは、直感的に理解できる気がしている。
昨年、世界的に競馬界で話題になったフライトラインの馬体は、非常に高度なバランスで成り立っているように見える。
有馬記念を圧勝したイクイノックスの馬体は、デビュー当時や春のクラシック期と比べたら成長が明らかで、完成するまでに時間を要すると言われていたのが、こういうことだったのかと思った。
阪神JFではリバティアイランドを馬体のみで勝つだろうと予想したらその通りになったし、評価できる馬体の知識は着実に吸収し始めている感覚がある。

けれど、見た瞬間に惹かれるような馬体というのは実のところ多くなく、ほとんどの場合、極端に悪く見えない馬体をしている馬に好走を期待する程度に留まっている。
逆に素晴らしいとは思えなくとも、意外なパフォーマンスで勝つ馬もたくさんいるわけなので、これでは確実に好走は無理だろう、と確信してレースに臨むことは、まだできる気がしない。
馬体を見極める力を競馬の予想に活用するつもりならば、走らない馬、明らかにバランスの悪い馬を判断する材料も、自分の中に取り入れていかなければならない。
こういう造りをしているから、きっと走る。ここの角度が悪いから好走は見込めない。そういう確かな根拠をもって、注目する馬と予想から省く馬を選別できるようになればいいのだが、その領域に到達するには何年かかるのだろう。

まぁ重賞クラスに出てくる馬はみんな強いし、馬体要素だけで取捨選択するのは困難かもしれない。
まずはキャリアの浅い馬、とりわけ新馬戦における判断で馬体知識を活かせるようになればPOGで好成績を出せそうなので、ひとまずデビュー前の若駒たちの写真を漁ることにしよう。