K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

返事の行方

予想通りの結果になって、むしろ困る場合がある。
期待に応えてもらうのが嬉しいのはポジティブな文脈であって、そうなってほしくないという願いを含む想定は、いざ実現すると一層、困惑が増すものだ。
いったい、私はこの件をどう扱ったらいいのだろう。わからなくなった。

 

この件、というのはつまり、前々から書いている某案件に関わる話なので詳細は書けないのだけれど、直面している問題を簡単に説明するなら……複数の案件を抱えている先方に余裕が生まれず、当初の予定を大幅に遅らせた結果、主な担当者として指名された私が異常なほど待たされているという嘆かわしい事態だ。
数週間から数か月おきに様子を尋ねているのだけれど、毎度のようにコピペじみた返事が返ってくるのみで、一向に進捗は見られない。
信じていいのか、あるいはとっくに信じなくなっている気もするけれど、いつしか過度な期待どころかほとんど期待しなくなっていると言っても過言ではないところまで来てしまったような感覚さえある。
昨年、翌年の春頃には軌道に乗っているだろうと予測していた。今では、さらに来年まで待たされる可能性が高くなってきていて、もはや将来的な自らのエネルギーを向ける対象として、計算できなくなってしまった。
まだ当事者となっていないものの、先方が抱えている致命的な問題点を曲がりなりにも理解できてしまうがゆえに……そして現状の私には何も差し伸べてやれる手がないために……とにかく連絡を待つしかないのだ。

ありがちな謝罪と、落ち着く見込みの時期を提示された。
もうすっかり、あの人の言葉は軽くなってしまっているから、いくら申し訳なく思うという雰囲気を文章から醸し出していたとしても、それが私に与える影響は僅かに過ぎないレベルまで来ている。
不思議なくらい、異様に歯車が噛み合っていないのだ。ちょっと運が良くて、タイミングが良くて、機運が向けば違った未来はあっただろうに。あらゆる段階で少しずつズレていったのだろうか、過去と比較すると着実に理想から遠ざかっているようにさえ思えてしまう。

 

再び何度目かわからない「望み」を差し出されて、やや返答に詰まってしまった。
だって、もはや以前のように期待感たっぷりに、前向きに受け答えすることなんて不可能だったから。
もう、言葉を紡いで送ることなんかできない。なるべく負の心を抑えつつ、スタンプでお茶を濁すことしかできない。

もちろん私は悪くない。一方的に約束を破られ続けるだけだ。
先方の現場における苦労を知らないから、なんとでも言える。それでも、これは明らかに常識外の仕打ちだし、私が正常な判断力と社会性を併せ持つ一般人であれば、随分と前に諦めていたことだろう。
いずれにせよ、待つという体で気持ちは「なかったことに」して、また声がかかれば儲けものくらいの心持ちで生きていくことにする。