K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

地頭ごり押しマン

特に長い時間をかけて勉強しなくても、要点を掴むのが得意でテストでは高得点を取る。なんでも適当にやるだけで、平凡を超えた結果を残す。
基礎能力は高いのかもしれないが、それを活かせるかは本人の性格による部分が大きい。

頭がいいとか、要領がいいなんて言われる人間。
私もある側面においては、そういう特性を持っている。いや、持っていた、かもしれない。

 

 

瞬発的な閃きや頭の回転だけでその場を凌ぐだけの生き方は、後に続かないものだ。
物事に対して広く浅く関わる場合には役立つけれど、特定の分野に特化することができない。確たる知識や技術に立脚したものではないからだ。

私の場合は、適当にやって成功するほとんどの事柄に対して、深く取り組んでいこうと思えるほどの活力を導き出すことができない。仮に失敗しても悔しくないし、まあこんなものかと見切りをつけることが多かった。*1
逆に、うまくできる分だけより一層の力を込める人とか、能力に欠けていてもひたむきに努力できるタイプは、社会的に成功しやすいのだと思う。

ポケモンに例えると、わかりやすい。
ポケモンのマスクデータに種族値個体値努力値と呼ばれるものがある。
人間に当てはめるなら、種族値は家庭環境など、個体値は基礎能力やポテンシャル、努力値はそのまま努力、という感じだろうか。そこに性格による補正が入って、最終的な能力が決まる。
生まれ育つ環境は動かしようがないし、生まれ持った力も後から変えることはできない。重要なのは、能力を活かすためにどんな行動(努力)ができるかということだ。

種族値個体値が恵まれていると、比較的要領がいい人間が出来上がる。けれど、本気を出さずともある程度の結果を出せてしまうがゆえに、努力値というパラメータを割り振らずに生きることもできてしまう。
私は昔、よく真面目だと評された。けれどそれは、大きな努力を必要とせず表面的な部分をほとんど完璧にこなせるからだった。学生レベルなら、それで十分なのだ。実力は全く伴っていなくて、ただの空疎な形骸だというのに。
一方で、目の前の課題を困難と捉えて真剣に立ち向かっていける人は、持っている熱量が違う。簡単に済ませてしまう人よりも、そういう人のほうが長期的な意味では成功する確率が高いんじゃないかと思う。真に真面目というのは、おそらくそういうことだ。


ポジティブな話もしよう。
私は長い間、真剣になれる事柄に出会えないでいた。その結果、私が歩いてきた道には、まだ何も残せていない。
ただ、遅まきながら興味を持ち、なおかつ簡単にはいかず、悔しさや向上心を覚える分野を知ることができた。

正解がなく、ありのままの自分を発揮できる世界。魂から絞り出したものが直感的に評価されるため、誤魔化しも利かない。
ここではどうやら、かつて便利にしていた地頭は大して役に立たないようだ。努力値というパラメータを獲得する(割り振っていく)過程は、ゲームでは作業だけれど、人生においてはとても楽しい。
惰性から脱却し、私が生き生きと生きられる場所は、ここにしかないのではないか。いつしか、そう考えるようになっていた。

 

 

本日の絵

20200603

定期的に腋が描きたくなる。
今日はだいぶ時間かかっちゃったな。

*1:ちなみに、初めから適性がなさそうな事象に対しては関心を抱かず、やる気がないのだからできなくて当然、と逃げていた。