K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

夏競馬から秋競馬へ

本日の新潟記念をもって、今年の夏競馬が終了した。
夏は東京や中山、阪神での開催がなく、大きなレースが行われないため競馬へのモチベーションや向き合い方が春や秋とは異なる期間だと思っているが、重賞自体は小規模でありながらも毎週のように開催されるということで、年間を通じての回収率ゲームを遊んでいる私としては、気持ちに大きな変化なく週末の習慣を楽しめた気がする。

 

夏競馬の特徴は、とにかく予想が難しいこと……というイメージがあった。
というのも、ダート重賞やハンデ戦、2歳重賞が大半を占めているだけあって、純粋に馬の実力だけでは決まりにくく、馬場や枠や展開次第ではいくらでも着順が入れ替わる可能性が高いからだ。
もちろん、この傾向自体は競馬そのものの特性でもあるため、他のシーズンにも当てはまるわけだけれど、夏競馬は特にそれが顕著に表れやすいため荒れがち……というのが事前に抱いていたイメージとなる。
しかしながら、今年の夏に関して言えば、例年ほどは荒れなかったのではないかと思う。普通に上位人気で決着したり、人気馬が飛んだとしても「買える」穴馬が馬券になってくれたりして、大勝ちは難しいものの意外と大負けもしない。やっていた感触としては、想像よりも難しくはなかった。

まぁ結局、当たるかどうかは運が絡んでくるため、たまたま私の予想が春競馬よりもツキに恵まれていただけ、ということもあるだろう。
結果から言うと、負けに負けまくって当たる気がしなかった春から一転して、夏は予想が的中する喜びを噛みしめることができた。七月は調子が出なかったものの、八月は絶好調で、宝塚記念終了時点で70%を下回っていた全体回収率は約93%まで回復した。

夏競馬結果

例によってリアルマネーは使わないエア馬券ではあるのだが、毎度2,500円前後の投資で勝負するつもりでレース観戦に臨み、結果を記録していく。
夏競馬ではラジオNIKKEI賞から新潟記念までの全19重賞のうち、7レースで的中してシーズン回収率は146.63%となり、週末の遊びとしてはかつてないほど有意義な過ごし方ができたように感じた。

券種は点数を増やせない都合上、3連複を基本として馬連ワイドをたまに絡める感じで、夏競馬においては3連単を考えることは一度もなかった。
額を抑えようとすると、よほど軸に自信がない限りどうしても3連単は難しくなる。その分、当てやすい券種でコンスタントに的中させていくのが理想なのだが……春はそれでも失敗し続けたのだけれど、夏は予想と結果が上手く噛み合ってくれた。

ギャンブル中毒からすれば、実際に馬券を購入していたら稼げていたのに、投資額を10倍にしていたらもっとスリルを味わえるのに、などと思われるかもしれない。しかし、私は競馬をギャンブルであると同時にスポーツであるとも考えていて、金にばかり意識が持っていかれると純粋にレースを楽しむ気持ちがどこかに追いやられてしまうのではないかと思わずにはいられないのだ。
確かに、それなりに的中したという結果から遡って考えると、「買っていれば」という気持ちを完全に否定することは難しくなる。実際に買えるかどうかは別として、数字として出ているのは事実なのだから、これを損失と捉える人がいるのは仕方ない。
ただ、私は競馬を金稼ぎの手段とは考えていないし、馬券というのはレースに楽しみを加えるエッセンスでしかないと思っているので、その役割だけならエア馬券でも十分に果たせると感じている。
当たっても金は手に入らない。それでも、当てられたら心から嬉しく思うのだから。
買っていないレースの予想が当たったら悔しくて死にそうになる人間とは、根本的に競馬との向き合い方が異なると思うので、仲良くすることはできないだろう。
もっとも、おそらく私のほうが少数派であろうことは理解しているので、競馬に大金を投じる人間を悪く言う意図は一切ない。これは単に、競馬というコンテンツを楽しむためのスタンスが人によって違うというだけなのだから。

そもそも競馬は馬券の売り上げによって運営されているわけなので、むしろ金を落とさない私こそ悪であり、馬券を買いまくる人間が善である……という捻くれた見方もできないことはない。格の高いGⅠでは少額ながら購入しているわけだし、許してほしいところではあるが。
なるべく金を使わないようにしているのは、私が競馬をずっと好きでいるために、マイペースに楽しんでいくために最適な方法だと判断したからに他ならない。

 

さて、来週からは秋競馬開幕ということで、舞台は中京と中山に移される。
秋最初のGⅠであるスプリンターズSまでは、まだ一か月ほど間があるけれど、秋の大舞台に向けた前哨戦が着々と消化されていくので、今から非常に楽しみにしている。
個人的に注目している秋のGⅡは神戸新聞杯オールカマー毎日王冠、あたりになるが、これは競馬ファンなら誰だって期待しているレースかもしれない。

逆にGⅠの秋華賞菊花賞はメンバーのレベルが低くなりそうなのが懸念点で、前者は世代レベルへの疑念、後者は有力馬が天皇賞(秋)に向かう見通しであることから、現時点でクラシック最終戦の見どころは牝馬三冠が誕生するかどうか、くらいのものだろう。
来年以降、おそらく開催されることがない阪神での秋華賞菊花賞は、様々な馬の未来や評価に影響を与えたように思う。特に菊花賞に関しては、昨年のクラシックを分け合った三頭もそうだし、今年のクラシック戦線を賑わせた馬たちにも言えることだ。
幸い、勝ったタイトルホルダーは特別に強い馬だったけれど、最も強い馬を決めるはずの戦いに強い馬が出てこないとなれば、あまり面白くはない展開だ。

天皇賞(秋)ジャパンカップ有馬記念の秋古馬王道GⅠは言うまでもなく最も大きな楽しみとして待ち望んでいるところだけれど、今のところその出走メンバーにエフフォーリアの名前が連ならない可能性が高そうな点だけは残念に思う。
応援という意味では、デアリングタクトとシャフリヤールのさらなるGⅠ勝利に期待したい。