K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

寒波対策

温もりに満ちた実家から冷えきった自宅に戻り、明日からは再び元の生活を送ることになる。今後しばらくは帰省予定がないため、当分は他者との会話がない日々になってしまうけれど、私は一人きりで大丈夫なタイプということを理解しているため、今のところは特に不安視している要素はない。
ただ、ここ数日の間に、迫りくる寒波についての注意勧告を目にする機会が非常に多かったので、流石に対策を講じる必要があるとは思った。

 

私の住居環境で実践可能な方策として、最も簡単なのは寒くなったら暖房を使うというシンプルなものだけれど、今年に関して言うと可能な限りエアコンに頼るのは控えたいという事情がある。
何しろ、空前絶後の電気代高騰により、節約意識なく過ごしていたら想定の数倍は請求されかねない時代に生きているからだ。
まぁ人並み以上の努力によって、先月分は前年比で30%〜40%程度の削減に成功したわけだが、どれだけ使用を抑えられるかは気候次第というところもあって、決して節約行動に安定感が伴うわけではない。
寒波が続けば、いくら多少の寒さを我慢することが日常化した私であっても、すぐに限界を迎えてしまうことだろう。
身体を芯まで震わせる寒さと、上がり続ける電気代との板挟みになって、冬に生きること自体が苦痛になってしまう。

体型や体質や、根本的な寒さへの耐性によっては、暖房器具に左右されることなく、重ね着によって乗り越えることが可能だと考える人はいるだろう。
寒さが弱点であり極端に痩せている私からすれば、とにかく羨ましい限りだけれど、夏には逆転現象が起こるのかもしれないから、どっちもどっちかもしれない。
私の場合は、着込んだところで冷たい空気をシャットアウトできるわけではないため、かなりの重ね着をした上で何かしらの工夫が必要となる。

寒い時季しか使わないアイテムなんて、長い目で見ると使い時が少なくてコスパが悪い。そんなことを考えていたこともあったけれど、重要なのはその時々で直面している困難をどう攻略していくかということなのではないかと、ふと思い直した。
暖房の使用にセルフ制限をかけている状況で、けれど体質は寒さに弱い。絶望的に思えるけれど、ここで肝心なのは、身体が冷える最も大きな原因を第一に優先して取り除くことだ。
考えた。私の最大の弱点はどこだろう。
答えは簡単だった。それは、足だ。

もちろん上半身だって冷えるし、寒さを感じるセンサーは至るところにある。冷えすぎて手先の感覚が鈍くなり、まともにスマホやPCのキーボードも操作できない、なんてことは日常茶飯事で、これを深刻に捉えるなら解決法は暖房一択になってしまう。
ただ、これは我慢できる部分でもあるのだ。所詮は東京なので、どれだけ外が冷えていても、室内にいれば凍傷になるほどではない。
もっと本質的に身体が熱を奪っている根源を探ってみると……着込んで暖を取るのが難しく、そして常に冷気の溜まりやすい床に接近している身体パーツこそが、最大のポイントだと気づいた。
足先はすぐに冷える。そして、冷えた足からは際限なく体温が放出していくのだ。
この問題を解決しない限りは、私は今冬を乗りきることはできないかもしれない。

昨日の昼、Amazonで適当にフットウォーマーを検索して、即座に購入した。お急ぎ便で夕方に指定しておけば、帰宅して間もなく受け取ることができる。
どうせ長くて数週間しか使わないものだから安物を選んだけれど、いくつか壊れてしまったというレビューがあり、不良品が届くのだけが心配ではあった。
幸い、ちゃんと動く製品が到着したので、新年最初の買い物、というか運試しは、外れずに済んだらしい。

 

日記を書くまでの数時間、試しに使ってみているのだが、なかなか効果覿面に思える。
想像していた以上に、足の状態が体温全体に与える盈虚は大きいらしい。
普段は暖房を停止させて以降、室温が18℃を下回ったあたりから我慢の時間が始まるのだけれど、フットウォーマー使用中の現在では室温が16℃台前半まで落ち込んでも平気で耐えている。
まぁ二日ほど家を空けていたせいで部屋の熱が抜けてしまい、いつもより冷え込む速度が速いのは誤算だったし、流石に今度は上半身の限界が見えてきているのだけれど、それでもフットウォーマーなしと比べたら雲泥の差だ。

局所的に温もりを与えるだけということで、部屋全体の空気に作用するエアコンとは使用電力が大きく異なるのも素晴らしい。
まだ使い始めてから数時間なので、実際の数字は数日間の使用をもって判断するしかないものの、書いてあることが正しければ、ほとんど消費していないのと変わらないくらいの誤差レベルらしい。

ひとまず、寒さに対する心強い装備を手に入れることができたので、しばらくは電気代の件と併せて悩みが減りそうだ。