K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240428)

人が心から悲しんで涙を流している姿を見ると、もらい泣きしそうになることがある。案外、私も高い共感力を持っているのか知らないが、どうにも私にとって最も悲しくなるようなシチュエーションを想起してしまうのだ。現在、目の前で起きている事象については特に感情を揺さぶられることはないけれど、ああ確かに、立場を置き換えてみると本当にきつい。いずれ訪れるであろう「その時」に、はたして私の心は耐えられるのだろうか。元気でいられる自信なんて、まったくない。
それはそうと、二日間にわたって拘束されることへのストレスは少なくなかった。経験が乏しく慣れていないというのもあるが、死者を弔うための一連の儀式について、どのような意味があるのだろうかといちいち考えてしまう。宗教的な観点に立てば、それは確かに意味のある行為なのだろうけれど、基本的に無宗教である日本人にとっては、ただの慣習でしかないことがほとんどだろう。元来の意味に関わらず、ただ「そういうものだから」と受け入れるしかない。その流れに従うこと自体が日本人的でもあるわけだが、無関心の領域に対してトコトン無気力である私にとっては、少なからず苦痛を覚える時間だった。もちろん、こんなことは心の片隅で思うだけで、間違っても口に出すことはないけれど……一通りの儀式を終えて、なお「時間の無駄」という考えを拭うことはできなかった。
かろうじて間に合った天皇賞・春は、取り立てて強く応援したい馬というのがいなかったので、今年は本当に気軽な気持ちで視聴に臨んだ。馬券も買っていないし、何が勝ってもいい。唯一、望んでいることがあるとすれば、やはり全人馬無事という当たり前の結末だろう。いや、しかしながら、4コーナーを先頭で回ってくるディープボンドの姿には、思わず熱くなってしまった。その一瞬の後には、すぐに差されるだろうと理解してしまったけれど、それでも4年連続で馬券内に残っているのだからスタミナ勝負になると本当に強い名馬だ。全盛期と比べたら随分と力は落ちている印象はあるものの、これだけ息が長く賞金を稼ぎ続けているのだから、もう十分という気もする。いつまで現役なのかわからないし、種牡馬需要は微妙かもしれないが、引退後も幸せに過ごしてほしい。