競馬界の中心とも言えるダービーが目前に迫ってきて、ふつふつと楽しみな気持ちが湧き上がってきた今日この頃、しかしながら一方で、まだ春のＧⅠは残っているものの、ダービーの終わりとともに一区切りという感じは否めない。秋までしばらく休息期間になってしまうから、逆に考えるとレースが始まるまでの今が最も競馬熱の高い時期なのかもしれない。
楽しみであることは間違いない。
とはいえ……どうにも、今年は少しばかり気分が異なるような気がしている。もちろん、他のシーズンと比べたらレースそのものに対する期待感は大きいのだが、昨年や一昨年のダービーには遠く及ばないのだ。
ダービーは特別だ。けれど、皐月賞前から言われていたように、今年は牡馬全体のレベルが疑問視されていることもあって、コレという馬が自分の中で確立できていない。
わかりやすく換言すると、今のところ強く応援したい馬がいないという話になってしまう。これは競馬を楽しむ上で、かなり致命的な事態と言っていいだろう。
もっぱら人気を集めているのは無敗の二冠を期待されているソールオリエンスだが、前走の皐月賞が特殊なレースだったこともあり、実のところ私は確勝級だと思っていない。
先週のオークスでは、レースパフォーマンスも見事だったけれど、事前予想の段階でリバティアイランドが圧倒的だった。あらゆる関係者から漂う空気感というか、走る前から勝つことは決まっていると言ってもいいくらいの、歴然たる差を感じたのだ。
ソールオリエンスだって、いざ走ってみたら、やはり抜けた能力を持っていて圧勝……なんてことも十分にあるだろうけれど、似たような状況が出来上がっていた2020年を知っている私は、なかなか同一レベルで支持することはできないのだ。
はたして三冠に挑戦できる器なのかどうか、今回のダービーに向ける期待の半分は、ソールオリエンスの真価を問うところにあるような気がしている。
1⃣枠①番 ベラジオオペラ
1⃣枠②番 スキルヴィング
2⃣枠③番 ホウオウビスケッツ
2⃣枠④番 トップナイフ
3⃣枠⑤番 ソールオリエンス
3⃣枠⑥番 ショウナンバシット
4⃣枠⑦番 フリームファクシ
4⃣枠⑧番 メタルスピード
5⃣枠⑨番 グリューネグリーン
5⃣枠⑩番 シャザーン
6⃣枠⑪番 ハーツコンチェルト
6⃣枠⑫番 タスティエーラ
7⃣枠⑬番 シーズンリッチ
7⃣枠⑭番 ファントムシーフ
7⃣枠⑮番 ノッキングポイント
8⃣枠⑯番 パクスオトマニカ
8⃣枠⑰番 ドゥラエレーデ
8⃣枠⑱番 サトノグランツ
お膳立ては万全といった形で、それぞれの馬が普通に走ったら、馬券的には非常に堅い決着で決まりそうな枠順になってしまった。
人気を分け合うスキルヴィングも有利とされている内枠で、やや内すぎるような気もするけれど、イクイノックスでさえ勝てなかった大外よりはずっと良い。絶好調のルメール騎手が導けば、この馬も馬券から外れる気がしないのだ。
あとは皐月賞好走組のタスティエーラとファントムシーフあたりがアクシデントなく能力を出しきれば上位に食い込んでくるだろうし、難しく予想する意味なんてあるのだろうか。
昨年のダービーは珍しく前半のペースが速かったため、後方から末脚を伸ばした2頭が突き抜ける形になったけれど、例年の平均ないしスロー寄りのペースなら、中団よりも前目の位置取りが勝ちやすい。
いわゆる、ダービーポジションというやつだ。
出走馬の中で該当しそうなのが、タスティエーラとファントムシーフあたりになりそうだから、人気とはいえ消しづらい。そもそも強いと思っているから、最初から買いたいと思っていた。
仮に今年も前半のペースが上がるとしたら、ますますソールオリエンスとスキルヴィングに展開が向くだろう。グランプリと並んで最も買いたいレースだというのに、人気馬が順当に好走しやすいのがダービーだから、馬券的な観点からは買わないほうがいい……なんとも競馬が抱える矛盾に直面しているような気がしてしまって、今回も相変わらず少額の記念馬券になりそうだ。
というわけで、今のところ印は以下のようになっている。
本命については悩んだし、何度か入れ替わったので当日にも逆転している可能性はあるけれど、馬の実力差が不明な以上は騎手を重視したい。
◎スキルヴィング
◯ソールオリエンス
▲ハーツコンチェルト
△タスティエーラ
△ファントムシーフ
△トップナイフ
上に挙げなかった馬について書いていくと、まずハーツコンチェルトは血統面で評価したい。父サンデー系×母米国型は近年のダービーで好走しているパターンであり、押さえておきたいのだ。
きれいな馬柱ではないため実力不足かもしれないが、安定して上位の上がりを使えているし、青葉賞ではスキルヴィングと0.1秒差の2着だから、大きく劣っているとは思えない。
勝つまで強いかと言われると微妙ではあるけれど、ハマれば上位に食い込むだけのポテンシャルはあるはずだ。
トップナイフは、よくわからない。わからないからこそ、ノリさんだからこそ、内枠を引いた今回は買っておきたいと思った。
能力が足りなくて凡走しても納得だし、先手を奪って逃げ粘りなんてこともある。あるいは父親参観に徹するかもしれない。
皐月賞は出遅れたことで最初から狙っていたレースができなかったようだし、上手くスタートさえ切れれば、どうなるかわからないだろう。
気持ちとしては「ケン」なのだが、ダービーということで馬券は買いたい。買いたい……か、普通に買っては不味すぎる。
そういうわけで他の馬には印を回せなかったけれど、他の穴馬が突っ込んできて外れるパターンも十分に考えられる。競馬なんて、当てるつもりで馬券を買うべきではないのではないか。
■3連複 フォーメーション（7点）
②－⑤⑪－④⑤⑪⑫⑭
一部ガミになるかもしれないが、少額かつ少ない点数で的中率を重視、さらにそこそこの配当も狙うとしたら、こうするしかない。
ソールオリエンスが飛ぶか、トップナイフが絡んでくれるといい具合になる。ダービーに相応しい馬券とは言えない気がするけれど、あまり金を使いたくないがゆえに3連単や単複で勝負ができないのだから、こういう捻くれた馬券になるのは仕方ない。
