K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

一夜が明けて

昨日の出来事が夢ではなかったことを認識して、あらためて妙な居心地を覚える。
なんだこれ、こんなことがあっていいか……と。人生、何があっても不思議ではないけれど、いくらなんでも急展開すぎやしないか。
具体的に動き出すのは来月からなので、それまではずっと疑いながら過ごすことになりそうだ。

 

ドッキリなんじゃないかとも思ったのだが、わざわざ貴重な時間を使ってドッキリを仕掛けるメリットがない。
そんな風に考えること自体が失礼のような気もしてしまうので、きっと素直に受け入れるべきなのだろう。
それにしても、この時期にちょうど私という人間に話が飛んでくるなんて、あまりにもタイミングが完璧すぎる。私の人生はヤラセか何かなのか。この双方の都合の噛み合い方は、何度考えても奇跡のようなものとしか思えない。

たった数日の出来事によって、この先の生活の方向性がまるきり変わる。そんなフィクションみたいなイベントが発生するなんて、一週間前の私は想定していなかった。
相手もトントン拍子に話が進むものだから、もしかしたら本当に大丈夫なのかと不安を感じているかもしれない。私の人生に確実に介入することになるから、当然それなりの責任も発生する。
これからは互いの間にふわふわと浮かんでいる様々な不安を、少しずつ解消していく作業が必要になるだろう。

ところで、今回の一件は実のところ随分と前から考えていたことでもあった。未来予知などではなくて……言うなれば、こうなったらいいなぁという夢のような妄想。まさか現実のものとなるなんて。
なぜ、そのような妄想をしていたのかというと、その人に対する私の感情は友人としてのそれだけでなく、どこか憧れに近いものがあったからだ。
とある同じコミュニティに所属していた私とその人は、それなりに良好な関係の中にいた。少なくとも私はそう考えていた。
その人に対しては数ある知人の中でも特別にユニークな性質を感じていたし、リスペクトできる点が多かった。そして、思想が似ていたのだ。
だから、いずれ一緒に何かをできたら楽しそうだと考えるのは自然なことで……それでも私の心の中で思っているだけのことだったので、その実現を現実的な観点から想定することは昨日までなかった。

そういえば、一度だけ仲違いしそうになる出来事があったことを思い出した。
原因は完全に向こうの過失で、それも繰り返しの注意の末に改善されなかった相手の怠慢さゆえに生じた問題だった。
このままではいけない。私は心から思った。本質的な意味では素晴らしいと思える人間との出会いを、こんなくだらない事件でなかったことにしてはダメだ。絶対に仲直りしなくてはならない。
私は書いた。心を込めて、想いが伝わるように。関係性を壊さないためのメッセージを。
思えば、そういう何気ない私の行動が着々と信用を築いていったのかもしれない。思っていたよりも相手に評価されている、というのはよくあることだけれど、今回はそれが上手く働いた結果なのだろう。
昨日も書いたように、これまでの私の生き方は間違っていなかった。

まぁ勘違いしてはならない。これは始まりなのだから。これからの動きが、頑張りが、すべてを決めるのだから。