K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

背景をどうするか

絵を描こうと思った人間が最初に描くのは、過半数が人間の形をしたものではないだろうか。特に二次元キャラに慣れていると、目を中心に頭部はなんとなく描けるようになった、しかし身体は……という人も少なくないはずだ。そこからさらに踏み込むことができれば、身体構造を少しずつ覚えていく過程に突入する。
まぁこれは私の体験に基づいた憶測なので、いきなり風景画や手足のパーツから入る人もいるとは思うけれど、やはり顔というのはわかりやすい特徴に富んでいるから初心者でも描きやすいのだと思う。
そうやって、なんとなく、でも着実に人のような何かを表現できるようになってくると、次のステップが視界に入ってくるものだ。

 

なんでもいいが、とりあえず一人のキャラクターを描き終わったとする。SNSに上げてみようか、どうしようか。そこは性格によって、すぐにアップしてしまう人もいれば、納得がいかないからと誰にも見せないという人もいるかもしれない。
私も以前に、どこか物足りない気がした時に、いろいろなエフェクトを試してみたり、背景に挑戦してみたり……とまぁごちゃごちゃしたレイヤーを追加しては削除する繰り返しで、なかなか理想的な絵にはならないという記憶ばかりが強く印象に残っている。
たいてい実力以上の出来栄えを求めてしまうから上手くいかないのだけれど、しかしおそらく、将来的には武器にしているべき技術に違いないのもまた事実なのだ。慣れていないにせよ、触れておくに越したことはないと思っている。

単純にツールの使い方であったり特殊効果の付け方であったりは、試行錯誤していればそのうち身についていくようなイメージがあるけれど、中でも背景に関してはカテゴリーが別という感覚がある。
なんとなく描いているだけでは決して手に入らない知識や技術が、そこにあるのではないか。顔や髪や手や脚、それらを繋いでいる関節、そういった基本的な構成要素に対するアプローチと並んで、いわば世界そのものである背景を描画するための学習ステップが独立して存在している。
私はこれまで人物にばかり焦点を当てていたから、正直なところ背景を描くための取っ掛かりが何もないのだ。このまま方針を変えずにいたら、それなりに人間は描けるようになるかもしれない。けれど、そのキャラクターを真っ白な空間以外に存在させる技術は一生、手に入れられないのではないか。そんな、ちょっとした危機感のようなものを覚えた。
要するにこれは、これまで続けてきたものとはまったく異なる領域を初歩から学んでいくことが、いずれは求められるだろうという話だ。だったら、忙しくなってから時間の確保に追われるよりも、余裕のある今のうちに基礎だけでも固めておいて損はないだろう。そういう閃きから新しく行動を起こすことにした。

 

具体的に実施する内容は、来週の一週間を使って背景を描くための講座を受講することだ。
パルミーという、オンラインでイラスト技法が学習できるサイトがある。まぁ似たようなサイトは他にもたくさんあるだろうし、内容的な意味でどのサイトが優良なのか、実際のところはよく知らない。Twitterで流れてきた広告を見て、突発的にやる気が芽生えただけなので、本当にただのお試しという感じではあるのだが、7日間無料ということらしいから使えるものは使ってやろうという乞食になることにした。

www.palmie.jp

月曜から金曜まで、あるいは予定が入ったら土曜までになるかもしれないが、その日に取り組んだ内容と成果について所感を交えながら日記として更新していくことにする。
たった一週間で技術が習得できるとは思っていないけれど、今後に向けた第一歩にはなるはずだ。
始めてみなければ始まらないので、その始まりを作りにいく。当たり前の話だが重要なことだから、忘れないように意識していきたい。

わざわざ事前に日記という形で宣言することにしたのは、せめてもの強制力を生み出すためと言ってもいい。
もはや人間性と切り離すことが不可能に近い、どうしようもない怠け癖があるせいで、人に見られていないところでは真面目でいられない、課題をサボりがち、仕舞にはなかったことにする、なんて未来が容易に想像できるのだ。
その点、誰にも見られていないにせよ、毎日更新することが生活に欠かせなくなっている日記において、あらかじめ内容を指定してしまえば、ほぼ確実にやらざるを得ないというわけだ。外部から動機が得られないなら、内部から無理やり設定してしまえばいい。

あわよくば、日記と同様に毎日の必須タスクとして定着させられるのが望ましいのだけれど、あまり一日あたりの拘束時間(制限)を増やしすぎると、どこかでプツリと糸が切れるようにエネルギーがショートしてしまうので、体力に合ったバランスは追い追い探っていきたいところだ。