K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

ガルパン最終章③

先日から公開されている『ガールズ&パンツァー』最終章の第3話を観てきた。
劇場はもちろん立川シネマシティ。
調べたら第2話が一昨年の六月ということで、あぁもうそんなに経ったのか、という感覚が強い。これだけ空いてしまうと、どんな話だったか忘れてしまうことも珍しくないと思うのだけれど、不思議と本作に関しては前の話がどういう状況で終わっていたのか覚えていた。それほど前回が……いや前回も、強烈だったからかもしれない。

 

今期のアニメもだいたいが最終回を迎えたので、前に書いたように感想の簡単なまとめ記事を作成しようと思っていたのだが、映画を観た感想というのはその日のうちに出しておかないと鮮度が落ちてしまうから、今日はガルパン、明日は今期のまとめという形にする。

 

さて、本編の内容はというと、相変わらずの面白さだった。
尺は一時間程度なのだけれど、それを感じさせない情報量の多さは第2話から変わっておらず、シネマシティの音響も相まって没入感が素晴らしい。非常に濃い鑑賞体験が味わえるということで、全国のガルパンおじさんからの人気っぷりは健在……先週末は流石に予約を断念したくらいだ。

今回も試合の途中から始まり、戦いが終わると一息入れるようなシーンが挟まれ、次の試合へ。これからどうなるのか、という緊張の局面で次回へ持ち越しという形になった。
印象に残っているシーンはいくつかあるのだが、その最もわかりやすいものと言えば、あんこうチーム以外に大きく焦点が当てられていた点だろう。もちろんⅣ号戦車と西住みほは絶対的な指揮官で中心的な存在であるから、それなりに見せ場は多い。けれど、その他の各チームや敵となっているキャラクターにおいても、今まで見せてきた姿とは違った側面が見受けられた。
これまではこういうキャラクターだったから、こういう行動をするという、ある意味で予測しやすい存在だったものが、成長なり何らかの変化なりを経て新しい一面を露わにするのだ。面白くないわけがない。
あるいは、あんこうチームにおいても一種の固定化されたキャラクターごとの役割があったと思うのだが、それを打ち破って別の可能性を見せるようなシーンが際立っていた。時間にすれば数分といったところだとは思うけれど、十分に一つの見所として映えていたように私は感じた。
第4話以降においても期待できる、大きな楽しみの一つと言っていいかもしれない。

別の学校の試合もダイジェストではあるがしっかり描写されていて、そこにも新たな可能性の種が広がっていた。限られた時間の中で複数の状況を着実に進める手腕は流石のもので、個人的には、なるほどシーンを入れるとしたらこうするしかないよなぁという模範解答でもあったように思った。
まぁしかし、全体的に駆け足気味なのは否めないため、キャラクター単位で見ていくと不満もあるかもしれない。もっとあのキャラを映してくれと思ってしまうのは仕方のないことで、だからこそ同人誌という文化が栄えるのだろうなとも思う。
私はBC自由学園のマリーがもっと見たいなぁと思ったし、最終章で島田愛里寿が指揮を執ることはあるんだろうかというのが、もっぱらの疑問というか期待でもある。

ガルパン最終章③

 

今作について、一言で感想を述べるなら「すげぇ面白かった」が適当かなとは思うし、ある程度時間が経って振り返ってみても概ね満足といったところではあるが、いかんせん次が見られるまでがとても、とても長いというのが、ガルパンの最大の欠点でもある。
仮に今後の制作ペースが大きく変わらないとすれば、完結が見られるのは2025年の暮れか2026年の春頃という感じなので、大変に気が遠くなる思いだ。
『プリプリ』と併せて、アクタスには期待感が大きい。厄介なのは、この待ち時間だけとも言える。まぁ何を言ったところで、アニメは多くの人の手によって生み出されている職人技の結晶であるから、ただの消費者である私は待つことと鑑賞料金を払うことしかできないわけだが。

あえてタイトルは伏せるけれど、ビッグコンテンツの台頭によって、かつての作品のファン(とその作品に向けるためのエネルギー)が一気に吸われてしまわないかが、少し心配になった。
ガルパンガルパンで、新しく出てくれば十分に期待に応えてくれる魅力に満ちているから、作品の本質が悪いわけではない。ただ、世の中には他にも魅力的なものがたくさん転がっていて、さらに次々と生まれては朽ちてゆく激動の時代だ。
私は心に余裕を保ちながら、興味のあるコンテンツを好きなように楽しむことができる環境にあるし、数年くらいなら待つことも容易いけれど、そういう人ばかりではないのではないか……ふと、そんなことを思った。