K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

歯痛に悶える

だいぶ前だったと思うが、奥歯が欠けたという日記を書いたことがあった。
正確には穴が空いた、と表現したほうがいいかもしれない。とにかく、奥歯に空洞が出来てしまったから、そのうち歯医者に行かなければならないという話だった。
しかし、特に痛みなどは感じなかったし、食べ物が詰まって厄介という問題だけだったから、いつものように怠けて放置してしまっていたのだ。
二週間ほど前、主に食事中に異変を感じることが増えたため、ようやく予約を済ませたのだが、とうとう今朝から常に鈍痛が続くようになった。

 

イムリーと言うべきか。
二週間前の予約日は、ちょうど明日なのだ。
評判が悪くなさそうな歯科医で、これでも最短のタイミングなのだが、ギリギリ重症化するかしないか微妙なところで診察を受けられるのは運が良いかもしれない。

昨日までは予約時点から大きな変化を感じることはなく、何か温かいものや冷たいものを口にした時に、敏感に反応する程度だった。
思えば、歯の神経が剥き出しに近い状態になっているから起こる現象だった気がするのだけれど、やはり生活に不都合が生じるくらい明確に痛みが伴わないと、私のような人間は動くことができないらしい。
同じ面倒であっても、食後に鏡の前で奥歯に詰まった食べカスを取り除く作業は毎日バカみたいに続けていたのだから、不思議な話ではあるが。

 

実際のところ、歯がズキズキと絶え間なく痛むのはストレスが半端ない。
過去には歯科矯正の過程で親知らずの抜歯などを複数回経験しているから、こうした痛みは初めてのことではないけれど、おそらく虫歯と思われる自然発生的な痛みについては記憶にないから、少し怖さを感じている。
まだ乳歯だった頃に二度、虫歯治療を行ったことはある。確か小学校の歯科検診のようなもので発覚して、痛みが出始める前に処置が行われたのだ。
おそらく歯が抜けるまでの一年ほど、銀歯との付き合いがあったように思うけれど、その一連の流れ自体に大きな苦しみがあった覚えはない。

それにしても、早く楽になりたいという気持ちと、最悪の場合は奥歯を抜かなければならないかもしれないという懸念に挟まれて、ただでさえ平均的な人間よりも体調を崩しやすいというのに調子が上向くはずはなく、しかし横になっても痛みで上手く眠れず、快適に生きることの尊さを久々に思い出している。
これから私の歯がどうなってしまうのかは、気になるところではあるが、好奇心なんてどうでもいいから、早く普通のステータスを取り戻したいところだ。
一年のうち半分くらいは何かしらの状態異常に陥っている気はするけれど、今回の痛みは数ある中でも致命的に影響度が大きい。

痛みというのは本人しか味わえないもので、痛みに起因するイラつきは根本的に痛みを和らげることでしか解消しない。
痛みが発生しないのがベストとはいえ、歯に異変が生じていたのは明白だったから、遅かれ早かれ苦しみを味わう定めではあったのだろう。
事態の深刻化が明らかになったのが予約日の直前で、本当に良かった。