K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

組立と解体

日記として残す日がズレてしまったけれど、長らく待った新しい椅子が一昨日の午後に届いた。
ヤマトの人によると、やはりブラックフライデーの関係で配送混雑中ということらしく、大きな荷物を頼んでしまったことを少し申し訳なく感じた。
重い荷物としては、水の配達が頻繁にあるという話を聞いた。飲料については、私はスーパーに行く度に持てる分だけ買っているけれど、ネット注文で済ませてしまう人も多いのだろう。
痩せすぎの自分には絶対に向かない仕事の一つであると、あらためて確信した。

 

大きな箱を前にして、開けるのすら億劫だったけれど、受け取った流れで組み立てなければ週末まで放置してしまうに違いない。そう直感したので、やや心を奮起させて段ボールに固定されたテープを剥がし始めた。
性格の問題で、きれいに剥がさないと気がすまない。鋏を使って一瞬で開梱することもできるはずなのに、丁寧に開けようとしたせいで余計に時間を要した。どうせゴミに出すというのに、難儀なものだ。
説明書を取り出して、手順通りに進める。想像していたよりもお手軽な組み立て手順で、箱から取り出してから完成までは、それほど時間がかからなかった。
昨年の安物ゲーミングチェアを組み立てた際には、もう少し苦労した記憶があるのだが……値段分の差が品質だけでなくこういうところにも表れているのが、よくわかる。

古い椅子と入れ替えて、机の前に設置する。軽く座ってみた感触だが、そこまで柔らかくはないものの、程よい反発で長時間の使用には問題なさそうに思えた。
何より、軋む音が鳴らないのが最高だ。高水準でバランスが取れている。長年、同じメーカーの商品を実家で愛用していたのだから、この点について心配はしていなかったが、不良品が送られてくる可能性だってあったのだ。しっかりと期待に応えてくれる椅子が届いたので、安心した。
それはそうと、新しい物には慣れるための時間が必要だ。より値段を感じるのは、その先の使い込む過程において、なのではないだろうか。
かくして御役御免となった旧ゲーミングチェアは、もう捨てるしかない。さっそく解体作業に入った。

 

解体とは言っても、椅子を倒して座面の裏側に嵌められた六角ボルトを外していくのがメインとなる。
ただ、以前はボルトの緩みなどを気にして、定期的に締め直すメンテナンスをしていたのだが、もう半年以上も触っていなかった部分だ。意外に固くなっていた。
貧弱な腕力では、なかなかに難易度が高い。全身の力を込めて六角レンチを回していくのは、もう年末も近いが今年に入って最も大きな力作業だった気がする。
途中、鉄製の部分とボルトの接点が酸化しているのか知らないが、ボロボロと塗装が剥がれ落ちてきた。こういう材質にもクオリティの低さを感じる。椅子はケチっては駄目だと、経験によって学ぶことができた。

座面と下の部分を完全に切り離して、脚や肘置きといったパーツを独立させた。これらは使い道がないし、然るべきタイミングで捨てるべきだろう。室内のスペースには若干の余裕があるため、一時的に置いておくことにした。
一方で、座面については再利用の価値がありそうに思えた。要するにこれは、リクライニング機能付きの座椅子なのだ。試しに座ってみたところ、思っていたよりも不快感が少ないし、背もたれに寄りかかった感触は普通に椅子として使っていた時よりも心地好い感覚すらある。
私は床に座ることにも抵抗感がない育ち方をしてきたので、以前に座椅子の購入を検討したことがあった。結局、ほとんどPCの前にいるから買うほどではないと判断したのだけれど、ゲーミングチェアから座椅子への配置転換は悪いものではない。思ってもみない再活用する道が生まれて、安物ゲーミングチェアも喜んでいることだろう。

クッションの質が高くないせいで臀部への負担が大きかった椅子だが、地面に置いたことによって自分の脚部が床と確実に接する形になり、負担の分散が可能になったのだ。
長時間使用における身体へのダメージは不明だけれど、たとえばこたつに入りながらiPadで絵を描く、なんていう使い方がひょっとしたら可能かもしれない。あるいは競馬観戦も、楽に座りながらできるようになった。
些細な変化ではあるものの、椅子が変わっただけで少しだけ生活が豊かになる気がした。