K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

電気代と契約の話

先月、契約している電気会社への不信感から乗り換えを検討しているという日記を書いたけれど、既に新しいところとの契約を完了させた。
今月の途中から切り替わるため、ようやく一安心といった感じで、今後は毎月の安定した支出として計算できるようになる。
何しろ基本使用料から従量料金に至るまで、すべてが安くなる上に、市場価格に左右されないのだ。もっと早く気づくべきだった。

 

まだ解約についての請求情報は届いていないから、ひょっとすると来月あたりに腹立たしいお知らせが舞い込んでくる可能性はある。
もちろん、うっかり契約してしまった私にも責任はある。情弱というのは、それだけで罪なのだ。
まぁそれにしてもネット上では悪評だらけの会社なのだし、本当に潰れてしまえばいいのにと思う。

大して価格高騰が起こらないタイミングであれば、別に気に障るほどの請求額になることはない。
そういう時季はエアコン未使用など、そもその使用量が少ないというのもあるけれど、確かに計算してみると東京電力との契約時よりも微妙に安くなり得る。
しかし、それは罠でしかないのだ。

燃料調達費が市場価格によって変動することの特徴を挙げると、非常にシンプルな表現になる。
安い時は安くなるし、高い時は高くなる。
一見すると、五分五分の勝負のように錯覚してしまうかもしれない。実態はまったく異なり、ユーザーは一方的に不利な契約を結ばされているというのに。

資料として昨年と今年の使用量および請求額を以下に置いておこう。
一応、フォーマットから特定を避けるために、数値をExcel入力する形を取った。
昨年分は会社側の対応が間に合っておらず、価格高騰分の上乗せが反映されていなかったから、市場連動でなかった場合のサンプルとして使えると判断した。

電気代

ここから何がわかるかというと、それほど多くもない、たったこれだけの使用量であっても、爆発的な価格の上昇が直撃すれば請求額は不当に跳ね上がるということだ。
そして、一度でも理不尽に上がった請求額を取り戻すためには、いったい何か月分の「安い時季」を過ごさなければならないのだろう。

もう少し簡単に書くとしたら、たとえば春や秋における一般的な電気会社の請求額が3,000円だったとする。
そういう時期は相対的に「安い」ため、連動型の契約では2,700円といった具合になる。
一方で、夏や冬は使用量が上がる。市場価格は極端に上がる。普通の契約が5,000円だとしたら、連動型は6,500円とか8,000円とか、ひどいと5桁(倍以上)とかいう意味のわからない上がり幅を見せつけてくるわけだ。
さて、年間を通じて支払うことになる電気代を両者で比較してみると、わざわざ細かく計算するまでもない。「安い」時に稼いだ合計マージンを遥かに上回る請求が「高い」時に連発するのだから、とても「お得」とは言えない詐欺に近い契約であるのは火を見るより明らかなのだ。

こんな悪質な特性を孕んだ契約スタイルを「お得になるから」などと謳って営業している会社は、さっさと規制されてしまえばいい。
情弱から搾取する構造自体は他の業界でも無数にあるだろうし、そもそも商売なので否定はしないが、仲介業者を利用して新規賃貸契約者に詳細を説明せず半ば無意識的に契約させるなど、手法があまりにも強引というか、不誠実というか……文句を書けば書くほど、ちゃんと調べなかった過去の自分を咎めているような気分になって、なんとも業腹だ。

それもこれも、来月には解決していることだし、今回の件は人生の勉強代として渋々ながら支払うしかないだろう。
多少の不当な請求に対して延々とゴネるのはエネルギーの無駄だと思っているし、面倒くさがりな私にはクレーマーの素質がない。