K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

音源いじり

数週間前にも似たような日記を書いたような気がするけれど、今日は某ゲームアプリの資源を漁って何か面白いことができないかと考えていた。
別に、ゲーム自体を外部から操作するわけではない。内部のデータを取り出して、自分のローカルスペースで遊ぶだけだ。
前回はモデルの情報を置き換えて表示などを変更しようと四苦八苦し、結局は上手くいかなかったが……今回は音楽データを抽出してPC上で任意に再生できるようにする試みを進めた。

 

なお、当然ながら本来この手の作業は規約違反に該当するはずだから、厳密に言えば好ましい行為ではない。
ただ、これは私が個人的に楽しむための遊びであり、取り出したデータを他者と共有するようなことは決してない。
ゲームの構造として、ゲーム中に使用する資源の大半があらかじめ提供されている以上は、やろうと思えば誰もがアクセスできる情報であることに変わりはなく、言わば覗き見しているに過ぎないのだ。
まぁ場合によっては覗き見は犯罪になるわけだが……悪用しているわけではないため大丈夫ということにする。

もともと知識はなかったけれど、少し調べたところ、内部の情報をゲームを介さずに表示したり目当てのリソースを見つけたりするための、わかりやすい方法が出てきた。
やたらとツールの扱いに手間取るし、やや専門的な感覚が問われていて想像よりも時間を要したものの、しばらく触っていたら概ね全体の造りは把握することができたので、今では数分以内に欲しい資源へとアクセスできるようになったと言っていいだろう。
格納フォルダからファイル名に至るまで、一見すると何がなんだかわからない形になっているから、慣れていても多少の手間はかかる。しかし、一連の流れを覚えてしまえば大して難しい作業でもないということが理解できた。

今日は、先日に追加された新曲の再構築をメインの目標として進めた。
再構築というのはつまり、ゲーム中に視聴可能な範囲から外れた、イレギュラーな形でのコンテンツ享受ということを意味する。
本楽曲は複数人での歌唱が前提となっているのだが、そもそもリソース自体はソロの録音なのだ。普段、当たり前のように楽しんでいるゲーム中の音楽は、都度キャラクター選択によって切り貼りパート分けされたものとなっているため、丸々ソロで聴くのは新鮮な気持ちになった。

私は耳が良くないため、合唱から一人ひとりの声を聴き取ることが大の苦手だ。つい、ひと塊の巨大な歌声として認識してしまう。
だから、歌声を個別に耳にして感じたのは、このキャラクターにはこんな個性があるのか、この声優はこんなに歌が上手なのか、という新たな発見だった。
より、それぞれのキャラクターへの解像度が上がった気がする。

また、好きなキャラクターを選び組み合わせることで、自由にデュエットを作ることもできるようになった。
これは別の編集ツールが必要ではあるが、特に難しい項目はない。同じタイミングで全体を再生するイメージで結合させてもいいし、部分的に削って自らパート分けを実現させてもいい。
公式からの供給以外に、私が個人で求めている形でコンテンツを楽しめるのは、とても幸せなことだ。
重ねて言うが、これはほとんど黒に近いグレーな行為でもある。出来上がったものはもちろん、それを作成する手順についても、この場を含め他の人間に示すことはない。
もっとも、平均的な理解力とモチベーションのある人間ならば、すぐに同様の真似ができるとは思うが……それくらいに、想像よりも簡単な方法だった。
特に今回はゲームを起動させる必要もなく、完全にローカル作業となるから一切のリスクは存在しないし、急な思いつきの暇潰しにしては満足度の高い時間の使い方だった気がしている。

 

ふと思う。
ソロ歌唱モードの実装があってもいいのに、と。
複数人で歌うからこそ、魅力的に曲が映えるところはあるだろう。しかし、ソロで聴いて初めて気づく魅力もあるのだ。
わざわざ音源を抽出しなければ純粋に一人きりの歌声を聴くことができないなんて、なんだがもったいない。

試す前から歌が上手いキャラクターは何人か知っていたけれど、今日あらためて歌唱力の高いキャラクター(声優)を認識することができた。
ピックアップされているわけでもないのに、欲しくなってしまった。諸々を考慮して、ここで名前は出さないけれど。