K's Graffiti

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POG

競馬ファンにとっての大きな締めくくりと言えば有馬記念になる気がするけれど、別の観点から考えた場合、ちょうど今が新しいシーズンの切り替わり時期なのではないかと思う。
先日、世代の頂点を決める日本ダービーが無事に終了した。まだクラシックレースは秋に残っているものの、現3歳世代の成長と活躍に期待を寄せる段階は、これで一段落したと言っていいだろう。
来月からは2歳の新馬戦が始まる。

 

ペーパーオーナーゲームというものがある。
POGと略されることが多いが、簡単に言うと期待の素質馬をデビュー前に決められた数だけ指名して、翌年のダービーまでの成績をユーザー間で競う遊びだ。
開催団体によって細かい条件は異なるようだが、来年の活躍が見込める馬を現時点で見極められるかどうかが一番のポイントとなる。
毎年7,000頭を超える競走馬の中から、ダービー終了時点までに最も賞金を稼ぐ馬はどれなのか……馬体や血統、厩舎、調整過程や調教の様子などから総合的に判断していき、指名した後は答え合わせの時期まで応援しながら待つことになる。

実は、確か日記には書いていなかったと思うけれど、2021-2022シーズンにおいてPOGを試しにやってみたのだ。
どの団体のPOGに参加するのが一般的なのか知らないが、私の場合はnetkeibaが主催しているPOGがお手軽だった。
まぁ結果は平均にも及ばない有り様で、指名した10頭のうち勝ち上がりが6頭、未デビューが1頭、重賞勝ち馬はいなかった。
それでも、指名した馬が出走する週はメインの重賞レース以外に楽しみが持てたので、悪くない遊びだったと思っている。
2022-2023シーズンが今週末からスタートということで、今回は昨年よりも成績が向上するように、しっかり考えて指名していきたい。

特にPOGのために何か参考書を買うわけではないから、取捨選択の材料は血統およびnetkeibaの掲示版に書かれている情報となる。金と時間をかけて本格的に取り組んでいる人や、馬体に関する知識のある人には勝ちづらいだろうけれど、こういうのは自分のできる範囲で楽しめたら十分なのだ。
目標としては、ポイントとランキングにおいて前年度を上回ることと、複数の指名馬が重賞を勝利すること、くらいに考えている。

 

まだ初心者みたいなものなので、私の読みが合っているかは不明だ。ただ、なんとなく「こうしたほうが良い」というコツのようなものは、漠然と頭の中に浮かんでいる。
まず、指名できる10頭のうち、最高効率で稼げる馬は限られているという点だ。というのも、これはnetkeibaの場合だが、POGポイントは5着以内の獲得賞金で計算されるため、当然GⅠなどの大きなレースを勝つ馬を当てられる人間が有利となる。ただ、賞金額の高いレースは数に限りがあるわけで、どうやっても指名した全頭が一線級の結果を残すというのは不可能に近くなる。
理想は、それぞれが2歳から3歳の重賞を勝ちつつ、クラシックレースで上位に入着すること……なのだが、上を目指すのであればかなりの運ゲーを通さなければならないだろう。
ダービーの1,2着、皐月賞オークス桜花賞NHKマイルC、そして朝日杯FS阪神JFおよびホープフルステークスで勝てる馬たちを、まだレースで走ってもいない時点で見つけ出さなければならない。
適当に直感で決めていたら、当たるわけがない。

まず重要なのは、牡馬と牝馬で分けること。そして、マイル路線と王道クラシック路線でも分けることだろう。
2歳から3歳にかけては、牡馬牝馬の混合レースよりも、牡馬は牡馬同士、牝馬牝馬同士の競走に焦点が当たることが多いし、そういう風に数々の世代限定戦が設定されている。
だからバランスとしては、指名できる10頭のうち半分ずつにするか、牡馬6牝馬4にするのが好ましいだろう。
また、最終的にはマイルと中距離に適性が分かれることから、路線ごとに分けたほうが打率は上がりそうな気がする。
上の性別と併せると、牡馬クラシック4牡馬マイル2牝馬4くらいがちょうどいいかもしれない。牝馬桜花賞がマイルだし、NHKマイルCで好走するイメージがあまりないから、牡馬ほど分ける意味はないと思った。

次に大事なのは、新馬戦の直前まで指名登録は控えることだろう。
どれだけ期待値が高くても、まだ肉体が未完成で不安定な若駒を早い段階から信用するのは、長い目で見るとマイナスが大きいはずだ。
変な話、行方不明になったり、怪我をしてデビューが遅れたり不可能になったりする。
毎週、新馬戦の前日に出走表を眺めながら、面白そうな馬や目をつけていた馬を見つけた時に初めて、POGの指名馬登録を検討すればいい。

昨年の失敗は、似たような父の産駒を同日に10頭登録してしまったことだった。
当然のことながら、血統によって適性距離は大きく変わってくる。クラシックとマイルで分けるなら、より血統的に多様な構成で挑むべきだったのに、当時は種牡馬の特徴について無知であったがゆえに、素人でも聞いたことのある馬の産駒しか目に入らなかった。
また、デビューできるかどうかも怪しい馬を、状況も確認せず名前が気に入ったという理由だけで指名しているなど、趣味パ感が強い。
あれは、あまりにも勝負を捨てた選択に違いなかった。

今年は、ある程度の血統知識が頭に入っているし、既に牡馬牝馬両方の期待馬をいくつかリストアップしている。
これらの中から、デビューが早い順に検討しつつ慎重に登録していくことになると思う。

そろそろ春のGⅠシーズンも終わりが近づいてきたけれど、新たな競馬の楽しみが増えるから、夏も退屈することはなさそうだ。