K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

夏バテ

暑さにやられて、そうでない時ほどのパフォーマンスが出せなくなる……誰しも多かれ少なかれ気候の影響は受けるだろうから、暑い日々に体調を崩しがちというのは別に珍しいことではない。
それにしても、正常な状態からの落差は個人差があるものだ。世の中の人間が苦言を呈しつつも変わらぬ日常を維持しようと耐えているところ、非常に申し訳ない気持ちはあるのだが、私はもう駄目かもしれない。

 

わかりやすく表現するために何が必要か考えたところ、シンプルに一種類の数字で示すのが最適だと思った。
厳密に言えば、人間の活動能力なんてもっと複雑な要因が絡まって表に出るものだと思うのだけれど、そんな諸要素は比べる方法はないため、まとめて「体力」という概念にしてしまおう。

面倒なので男女の違いは無視するとして……平均的な成人における健全な状態の体力を100とした時、夏バテのような外的デバフ要因によって下がった後の数字は、およそ60~80の範囲だと推測する。
これは、かつて日常のアクティビティが平凡を逸脱せず、体重も極端に低下していなかった頃の個人的な経験に基づいた感覚なのだが、暑くて怠いからといって能力が半減するということは滅多に考えられなかった。
朝から頭痛がひどいとか、微熱が出ているとか、不調の形は人それぞれだろう。それでも、目の前にある用事や課題に向き合ってしまえば、最低限の出力は確保できる。
そうでなければ、社会は回らないはずなのだ。

しかしながら、今の私はこんなものでは済まないくらい、著しくパフォーマンスを落としている。
そもそも運動不足が極まる私の場合、初期体力が低いのだ。少し外出して歩いたり、もしくは他人とのコミュニケーションをしたり、通常の人間が特に意識せずともこなしてしまう一般的な活動が、途轍もない負担になる。
これも昔の記憶に残る感覚に頼った比較になるけれど、おおよそ通常のなんでもない時点で体力は60前後を彷徨っていると言っていい。
朝、目覚めた時に感じる好不調の具合が、常に以前の「普通」を上回ることがないのだから、体力が低下しているのは紛れもない事実なのだ。

夏バテによるデバフ効果は、割合ではなく固定値だと考えている。
ゲーム的な考えになってしまうけれど、環境要因で身体の不具合を訴える人間というのは、もともと場合が多いのではないだろうか。体力に自信のある人間は多少の暑さではバテづらく、ひ弱な人間が相対的に影響を受けやすい。
そうして考えると、私の現在の体力は20~40の範囲まで下がっていることになるのだ。ブレはあるにせよ、日によっては半減以下にまで能力が低下しても不思議ではない。
今日なんかは最悪に近く、食事を除けば横になっていることしかできなかった。自分でも意味がわからないほど、調子が上がらない。大袈裟かもしれないが、人生で最も元気の少ない日と言ってもいいくらいだ。

 

上がったら下がるし、下がったら上がる。上限に程度の差はあるから、短期的な見方と長期的な見方では結論も変わってくるところではあるものの、少なくとも現在を最底辺付近と捉えるなら、来週以降には今より調子が悪いということもないだろう。
月に一度程度、定期的に発生する不調期と、気候による圧力が重なったことで、今までにない具合の悪さを招いてしまった。
今は派手に動けず何もできないかもしれないが、とにかく我慢して低迷期なら抜け出すことを期待するしかない。