K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

寒さに弱すぎるがゆえ

あまりにも身体が動かなくなって驚いた。
室内に設置している温度計を見ると、それほど急激に気温が下がった様子はなかったのだけれど、夕方から夜につれて身体の芯まで冷えきってしまい、ただ椅子の上で震えていることしかできなかった。
手先も足先も「ひんやり」どころではないくらいに冷たい……たぶん、健康的かつ冷え性ではない人間は想像できないだろう。冷えきった身体は、まるで自分のものではないかのように物質めいていた。

 

それほど冷え込んではいないはずの室内で寒さを感じる理由のひとつとして、自ら熱を発するための燃料が不足しているという問題は無視できないだろう。
単純な話、食べれば身体は温まるのだ。
しかしながら、完全に強張った身体がで食事を用意するというのは、食への関心に乏しい私には難易度が高い。食べることが生き甲斐の一般人なら、それほど苦労なく自然に向かえる行動なのだろうけれど、私の場合は食べるのが面倒という考えが生活の前提に居付いてしまっているから、たとえ空腹状態であっても容易な作業ではない。
むしろ、寒さで動きが緩慢になったからこそ、より一層の後ろ向きさを発揮してしまったと言うべきかもしれない。

完全な夏場と比べて恐ろしく思うのは、寒さの前では何もしていなくても消耗していくという点だ。
もちろん、夏であっても生きている限りはエネルギーを使っているわけだけれど、水分補給にさえ気をつけていれば、多少は食事を蔑ろにしても不調に陥ることは少ない。まぁこれは体質というか、個人差のある話かもしれないけれど、私は平気だったのだ。
一方で、気温が一定ラインを下回ると、途端に体力の消耗が激しくなる。平均的な肉体を持つ人間なら意に介さないような、些細な気温の低下に敏感に反応するのが、入院推奨レベルの痩せた身体に他ならない。冷えた空気が体表から浸透してきて、ほとんど直接的に体内の熱を奪っていく。この感覚は、おそらく極度に痩せている人にしか理解できないだろう。
筋肉や脂肪によるガードが作用せず、血肉の稼働限界をダイレクトに引き下げていく。これは本当に大変なことなのだ。

寒いのであれば服を着込んだり、暖房に頼って室温の低下を抑えればいい……というのは正論ではあるのだが、何しろ急激に冷え込んだものだから咄嗟に有効な対策を取ることができなかった。
こうなってしまうと、布団の中で身体を十分に温めるまでは他に何もできなくなるのだ。
そして時間的な話をすると、眠るのにちょうどいいタイミングだったから、そのまま就寝することにしてしまった。
食事をスキップするどころか、日課である日記さえも放棄して……冬の本格的な到来を前に、既に寒さの洗礼を浴びた気分だ。

 

更新の日付自体は毎日更新を前提にしている以上は10/25となっているが、実質的に書いているのは翌朝、起床後なので、なんだか悔しく思う。
自分の中のルールとしては、一日以上の遅延がなければセーフということにしているため、まだ大丈夫ではあるけれど……夜には普通に今日の分を書こうと思う。
これでようやく「昨日」を終えることができた感覚だ。