本命が好走できないなんて、よくある話だ。あえて軽視した馬、予想から外した馬で決着してしまうことも、競馬をやっていたら頻繁に経験する。別に珍しくもなんともない。
とはいえ、能力的に足りなかったとかトラックバイアスが合わなかったとか、そういう納得できる理由でない「負け」というのは、レースが終わってから複雑な気分になる。
もっと違った、より良い結果に結びつく道はなかったのだろうか、と。レース中のアクシデントは、競馬で唯一、私が面白くないと感じる要素かもしれない。
土曜日に雨が降って、日曜日は大した影響が残らないと思っていたら、なんと開催時刻に小雨が降り続くという状況で面食らってしまった。
良馬場の発表だから、実際どれくらいの影響があったのかは不明だけれど、勝ちタイムから判断するに、パンパンの高速馬場ではなかったことは確かだろう。ただ、Bコース替わり直後だから多少の雨は無視できるし、内外に露骨な差があったとも思えない。
総じて、ほとんどの馬が地力勝負をできる公平な舞台だった可能性は高い。人気馬が順当に好走できるのも頷けるというものだ。
そんな中で、残念ながら7着に敗れたナミュールは本当にかわいそうだった。
スタート直後に外から馬が押し寄せ、さらに内にいた馬との間に挟まれて後退、そのまま走る気を失ったような形で回ってきた印象で、期待していたパフォーマンスの発揮には至らなかったのだ。
臨戦過程は問題なく、状態は完璧に近いはずだった。パドックの映像では、やっとこの馬の強い走りが見られるとわくわくしたものだった。
それなのに、なぜ……終わってしまったことだから仕方ないけれど、きっと今後も納得することはできないだろう。
こういう出来事も競馬の一部であって、それを頭から否定していたら何もできない。馬の強さを私は信じているのだから、今回は参考ということで、次の機会にあらためて買うようにすればいい。
しかし、頭では理解できていても、悔しいものは悔しい。ああ、なんということだ。
もう一頭の軸であるスターズオンアースは、注文通りというか流石ルメールというか、なんとしても複勝圏には入るという競馬をしてくれたので、こちらには納得している。
やはり中距離の馬ということでマイルは忙しいようだったけれど、能力の高さだけで持ってきた形だろう。宝塚記念やジャパンカップに出できたら、イクイノックスと並んで優先的に買わなければならない馬だと感じている。
精神的に強く、どんな競馬場や馬場でも上位に食い込んでくる実力馬だから、このまま引退まで複勝率100%を貫いてほしい。
さて、勝ったのは昨年の安田記念で勝利したソングラインということで、これはこれで「知っていた」という風になってしまう。
私はヴィクトリアマイルと安田記念の性質の違いから、オッズ妙味も考慮してソングラインを外してしまっていたのだけれど、よく考えてみたら2021年のNHKマイルCからこの舞台では最上位クラスに強い馬だった。
外す選択肢は、ありえなかったのかもしれない。
最近、ＧⅠで結果が出ていなかった戸崎騎手を嫌ったのも、結果論ではあるが失敗だった。走るのは馬なのだから、騎手という要素だけで決め打つのは長い目で見るとマイナスでしかない。
同じく軽視したソダシも、昨年に勝っているだけあって、ちゃんと強かった。
アイドルホースではあるけれど、個人的には白毛馬を特別に好きというわけではないし、過去に買った馬券ではことごとくソダシと相性が悪かったこともあって、感情面で評価を下げてしまっていたところもある。
それから、馬は悪くないが、レーン騎手の判断には文句しか出てこないので、この着順には不満もある。他馬に不利を与える挙動さえなければ、どうなっていたのか。ナミュールが好走できた確率は上がるし、ソダシは距離のロスが増加して、逆転していたかもしれない。
タラレバに意味はないとわかっているけれど、一部の馬の結果については心残りの大きなレースとなってしまった。
これを踏まえて、それぞれの馬の次走において私がどういう評価を下すのか、今はまだ何も言えない。
たまに買うと、やはり当たらない。
的中率のほうが圧倒的に低いのだから不思議ではないのだけれど、そろそろリアル馬券の的中も経験しておかないと、本当に馬券を買うということに意義を見出だせなくなりそうで困っている。
そういう意味では、来週のオークスはリバティアイランドだけ買っておけば誰でも当てられる銀行レースの様相だから楽かもしれないが、少額のお遊びゆえ単勝複勝は選択肢に入らないのが残念なところだ。
ダービーでは絶対に買うため、今のところ馬券的にはスルーの可能性が高い。
そもそもリバティ以外に何を狙えばいいのか、比較が難しくて直感的に選べる馬がいない。
一週間かけて、じっくり考えることにしよう。
