K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240318)

今日は一風変わった食事処に赴いた。家族の誘いで、近場ということもあり提案に同意したわけだが、味だけでなく店員を含めた店全体の雰囲気も良質であり、有意義な時間を過ごせたように思う。外観からは飲食店であるという想像が難しい独特の佇まいで、いわゆる「知る人ぞ知る」タイプの店だった。料亭というほど大層なものではなくものの、そのひっそりと熟成された品の良さは人を選ぶに違いないだろう。喧騒を嫌う私からすれば、非常に落ち着いた空間の中で非日常的な文化を体験することができたので、おおむね満足と言っていい。人づてに聞くことがなければ決して縁がないであろう店だろうから、感謝したいと思う。
日頃は食に対して無関心な私にとっては案外、こういうプラスアルファで得られるものがある食事体験のほうが向いているのかもしれない。腹を満たすための食事ではなく、職人の意匠が凝らされた未知の領域への知識欲、それを埋めるような「食事」だ。まぁこうした冒険には相応の費用が発生するため、自ら積極的に街へ繰り出して新たに探そうという気にはならないものの、今後の人生において私が食というものに意味を見出だせるとしたら、自ずと今回のような形式にならざるを得ないだろう。そうした知見を得られという観点でもまた、貴重な一日だったことに相違ない。
本当に、風の強い日だった。台風のような勢いで猛烈に花粉が全身を包んでくる、まさに春らしい気候とも言えるが、それにしても空気は冷たくて体力が奪われる。一応、昨晩は早めに就寝したし、眠気が強かった分だけ睡眠の深さも悪くなかったはずなのたが、連日の外出に蓄積された疲労感は大きく、帰宅後は倦怠感に支配されていた記憶しかない。夕方を過ぎた頃、とうとう起きていられなくなりベッドに向かうしかなかった。数時間の仮眠のつもりだったのだが、次に目を覚ましたのはすっかり深夜で、そうなる可能性は考えていたとはいえ体力の乏しさに情けなくなる。しかも、なお眠い。疲労と、それからやはり花粉だろう。顔を洗った程度では、その影響下から完全に逃れることはできないらしい。もちろん服は着替えているけれど、シャワーは浴びていないし、寝具にも大量に付着してしまっているはずだ。考えてみたら当然の話ではある。
昨日も今日も、滅多に味わえない上質な食事を経験することができた一方で、胃腸を休ませられていない。明日は久々に食間を空けることになりそうだ。