K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

やはり余韻はよいものだ

先日、以前から見ようと思っていた名作を消化していきたいというようなことを書いたけれど、先週末あたりから少しずつ見始めている。
評判に違わず、名作・傑作と呼ばれるものは私の心を揺さぶってくる。なんとも言い様のない高揚感。素晴らしき余韻。

 

今日、ようやく一作品を見終えたのだけれど、まだ頭の中で整理がついていないのと、劇場版もあるため、すぐに感想として形にするのは難しい。すべてを見終えて落ち着いてから、時間をかけて書くことにしたい。
間違いなく、これまで見てきた中でも屈指の名作だった。

素晴らしい作品を見た後に特有の余韻は、心地よいものだ。この作品に出会えてよかった、これが見られる時代に生まれてよかった、生きていてよかった……ある意味で最大の自己肯定感のような感覚にすら浸れる。
優れた創作は、人を幸せにする。
この独特の状態には、名作を見ることでしかなれない。だから私はアニメを見続けるし、小説を読み続ける。

一つ問題があるとすれば、しばらくの間、その作品のことしか考えられなくなるということだ。
あまりにも強い力を持った作品は、人間の根本的な部分に大きな影響を与える。永続的か一時的かは時期や個人差によるけれど、思考の少なくない領域を作品に対する想いが占めることになる。
余韻が抜けるまでは、何か別の作品を見ても無感動になったり、反応が乏しくなったりする。感性が鈍化してしまう。でも仕方がない。激しく動いた後は、なんだって反動で停滞するものなのだから。
まぁ本来は何十週もかけて吸収するべき作品のエッセンスを、たった数日の間に一気に浴びたのだから、必然と言えばそうかもしれない。

それにしても、一作品目でここまで心が持っていかれるとは思わなかった。当分、私は使い物にならないだろう。
おそらく平成を代表する最大級の神作品の一つを最初に持ってきたからこそ、ここまで衝撃を受けたのだと思われるが、とはいえ他に待ち受けている作品群も客観的な評価は十分で、あとは私自身のタイミングの問題だったものばかりだ。これから月末くらいまでは、ひたすらに至上の世界を満喫することになる。非常に楽しみだ。

 

こんなことに思考が支配されるというのは、幸せなことかもしれない。雑念が失われ、特定の事柄にのみ頭が一杯になる。
恋だ。きっと、これは恋なのだ。
人間に対する恋心を、私はいまだに知らない。けれど、創作物に対してなら、いくらでも理解を示すことができそうに思える。