K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

コンテンツの消費速度

体感の話だけれど、昔に比べて現代人のコンテンツ消費速度が格段に上がっている気がする。現代人とか言ってしまうと主語がデカすぎるから、まぁ主に私が、という前提で。
情報伝達手段や端末スペックの向上もあるけれど、ここ数年でTwitterをはじめとしたコミュニティ単位での勢いというものが、非常に強く感じられるようになった。

 

アイドルとかVtuberとかにも言えることかもしれないけれど、私はあまり興味がないから印象だけで語るのもアレなので、今回はゲームについて。

先日、話題の原神を始めてみて、それからおよそ一週間ほど、手の空いている時間のほとんどすべてを費やして遊んだ。
このゲームに込められた様々な要素をものすごいスピードで消費しているなぁと思いながらも、5chやTwitterで情報を集めていると、より先に進んでいる人がいくらでも見つかるので、恐ろしいことだと思う。
今のところ実装されているストーリーをすべて見終わり、やることがなくなったと不満を漏らす。ひどい話だ。

私の感覚では、一般的なゲームは48時間も遊べたら十分なボリュームで、だから原神についてもRPGを謳っていることを考えると、リリース時点の内容としては一応満足できるものだった。


私は現在、どれくらい原神をプレイしているのだろうか。記録されているものがないため、感覚的な数字になるけれど、たぶん50時間くらいなのではないかと思う。
冒険ランクは33で、全プレイヤーの上位5%くらいには入っていることだろう。
こんなにやり込むつもりなんてなかったのに、頭がおかしくなってしまったようだ。

普通にストーリーを進めて任務をこなすだけでは、ランク25~27か、あるいは29あたりで頭打ちになる。というのも、経験値を得る手段が限定されていて、一日のうちに稼げる量に限りがあるのだ。
そういうわけで、私を含めそれよりも進んでいるという人は、相当やり込んでいるということになってしまう。
まぁいわゆるスタミナ回復的なシステムを使えば、その制限を取り払うことも可能だけれど、数少ない課金要素の一つであり、そこまで必死にやるようなものだろうか、と感じてしまう。

やり込み要素として想定されている最も大きなものが、瞳集めだ。
広大なフィールドの各所に配置された「神の瞳」。集めると報酬が貰えたりスタミナ上限が上がったりするから、いいことばかりなのだが、数が多いし近づかないとミニマップに表示されないしで、全部を集めるのはかなりの苦行となる。
私は二つのエリアで両方とも終わらせたけれど、攻略情報を見ながらやっても大変だった。チェックを付けながら集めていったのに、なぜか最後の一個が足りない。見つからない。
あてもなく彷徨している時の虚しさと言ったら、とんでもないものだった。今後、新エリアが開放されたとして、同じようなことをやると考えると……緩和されるという噂があるみたいなので、多少は楽になってくれるとありがたいが。
各地をこれでもかと歩き回ったから終わったものの、普通に旅をしているだけでは絶対に気づかないようなところにもいくつか配置されているのが意地悪だった。そのうち集まるでしょなんて考えでは、運が悪いと一生見つからないかもしれない。

風神

岩神

次のやり込み要素としては、宝箱集めになるだろう。一箱あたりから得られる経験値はショボいけれど数が多いから、有力なランク上げ手段だ。
宝箱は、どこにでもある。ただ、アチーブメント達成のためには400とか800とか、膨大な数を開ける必要があるため、短期間で回収しようとすると、こちらもなかなかに苦行だと思う。
見た目からはわからないポイントが無数にあるし、リポップしたりしなかったりする。時間をかければ、瞳と違って集めることはできると思うので、やはり一度に進めすぎるのは、いいことばかりではないかもしれない。

あとはキャラクターのレベル上げや武器の教化、装備品である聖遺物(効果がランダム)の厳選など、やることはいくらでもあるし、そのすべてにおいてリソースが足りない。
素材も金稼ぎも、経験値と同じく入手手段が少ないために、一気に育てることができないのだ。
先人たちの感想としておそらく共通しているのは、特性としてはコンシューマーゲームに近いのに、好きなだけ遊べない、制限がかかっているという点だろう。
デイリー任務やスタミナ消化による敵の討伐などを終えた後は、課金が嫌ならば宝箱のために奔走するしかなく、それが苦痛めいている。ひたすらマップ探索するだけでは、もう新鮮味がなく満たされない。


さて、最初の話に戻るけれど、いったい私は何をしているのだろう。
短期間に遊びすぎなのだ。それ以外にない。
これだけやったら、残されたコンテンツが少なくなるのは当然で、時間のかかるものばかりになるのも自然なことだ。
私自身こんなつもりはなかったし、標準的な遊び方として、こんな速度は運営も想定していないだろう。
ユーザーがコンテンツ内容に改善を求めるのは然るべきことではあるけれど、その前に自らを省みる必要もあるのではないか。少なくとも私は反省している。

序盤に飛ばしすぎた反動で、今後コンテンツが追加されていく度に、少しずつ関心が薄れていくかもしれない。
あれは、あの熱はなんだったのかと、妙な心残りだけが一生燻り続けるのだと思うと、やりきれない。気軽に手を出してしまったのは、失敗だったのだろうか。

まぁしばらくは、まったりと続けてみるとしよう。