自炊

最近は便利なもので、自分でスーパーまで行かなくても比較的安価に食材が手に入る。
配達料も大したことはないので、正直なところコンビニ以上に活用することになりそうな予感がしている。というか、近所に手頃なスーパーがないのが予想外だったのだが、まぁ結果オーライというやつ。
今日は買い物の初回、とりあえず最低限の自炊が可能な食材を、いくつか手に入れた。

材料があるとはいっても、お試しで買ったものがほとんどだからバラエティ豊かというわけにはいかず、玉ねぎ、人参、じゃが芋といった基本的な品ばかり。そういえば緑色が足りないから、次の機会には買ってみようかな。
おそらく四日くらいは食いつなげるであろう量……でだいたい4000円ちょっと。これだと月あたり3万円といった感じだけれど、調味料など初期投資的な品もいくつかあったので、実際にはもっと安く済ませられるはずだ。
食費にどれだけかかるかは、数か月やってみないとわからないこともあるだろうし、慣れてきたら節約できるだろうから、わからないなりに続けてみたらいいようにも思う。

さて、これらの食材で何が作れるかと言えば、カレーが最も簡単であるのは明白で、私は深く考える間もなくキッチンへと向かっていた。素人なのでまずは食材の切り方をネットで調べて、あとは適当に鍋へ突っ込んでいく。油を買っていなかったが、焦げないよう、くっつかないように配慮しつつ炒めたら問題なかった。玉ねぎの色が変わってきたら水を加えて、しばらく煮込む。
カレーのパックは基本的に6食や12食用で、当然そんなに作っても食べきれないので、やや具が多めだが3食分くらいを目安に水を入れた。おおよその目分量だったが、最終的に味はちょうどいい具合だったので、私の調理センスはそれほど悪くないのかもしれない。
ちなみに米は一食100円くらいのパックのやつを買っておいた。自分で炊いたほうが安上がりとはわかっているけれど、それほどたくさん米を食べる機会があるかどうか。困ったらパスタでいいかなという考えが強い。だから今のところ炊飯器は買っていない。

初めての自炊は、かくして平和にミッションコンプリート。適当に煮て混ぜておけばちゃんとカレーになるあたり、その偉大さがよくわかる。
少なめにしても一人だとなかなか減りが遅いから、作ったら三食カレー続き確定で、きっとそのうち飽きてしまうだろう。まぁそうなったら、他に作れるものを増やせばいい話だ。スタートとしては悪くない一食だった。

思いついたタイミングで作って、すぐに食してしまったので、夕飯というよりは間食の時間帯だった。それから陽が落ちて数時間、そろそろ小腹が空いてくる頃合いなので、こういう時に軽くつまめるものがないのは何かと不便……かもしれない。
私の食欲というやつは、ここしばらくの間ずっと息を潜めているようで、たとえ一日断食したとしても、あまり空腹感を覚えない状態になっている。だから気にしなければ特に問題ではないし、あまり遅くに胃を働かせると腹痛で眠れなくなるから、夜は何かを食おうという気にそもそもならない。しかし、流石にこんな調子で生きていると栄養失調になりかねない気がするので、なるべく一日に三食を心がけたいところ。あるいは二食であれば、それぞれガッツリ、という風に。
今夜は仕方ないので、熱湯で出来るスープを摂取することにしよう。これも安く買ったもので、これから迎える冬には特にお世話になりそうだ。

もはや本能というよりは理性によって食事を行う私だが、いったいどうしてこうなってしまったのか。思い返しても記憶の限りでは昔からこうだったので、ただの性格と言う以外に表現する方法は思いつかないけれど、とにかくぶっ倒れないようにだけ注意したいところ。