K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

食費削減

この行為になんの目的があるのか自分でもよくわかっていないが、最近どれだけ食費を減らせるかというチャレンジをしている。
今のところ生活費に困っているわけではないので、たとえば週に何度か外食するくらいなら問題はないはずなのだけれど、普段から食に関心が薄いことと余計な出費は少ないほうがいいという倹約家精神が、無意識のうちに私の行動を決定している。

 

一般的に一人暮らしの人間が必要とする食費は、軽く調べた限りでは平均すると月あたり40,000円前後らしい。
諸説あるが、この数字を見た時に私は非常に驚いた。確かに、毎食のように外食していたら余裕で達成可能な額ではあるけれど、それにしたって使いすぎではないだろうか。あるいは私が並外れているだけで、普通の世間一般というのは、そういうものなのか。

料理をするかどうかは個人差が大きいと思うけれど、レトルトや冷凍食品だって近頃は悪くない品質になっているので、定期的にスーパーで食材を買う習慣さえ作れば、かなり食費を抑えることが可能だ。
一日に必要なカロリーと、食材の値段という二つの要素から導き出されるコストは、ちゃんと計算していけば40,000円に届くことはない。
多少の贅沢をしたとしても、30,000円程度が現実的なところではないだろうか……などと私は思っていたのだが、実際には違うらしい。

こういうのは、一日あたり、一食あたりの額で計算したほうが直感的にわかりやすい。
一日1,500円なら、一食500円で、ひと月45,000円。
一日1,000円なら、一食333円で、ひと月30,000円。
昼食を外で済ませたら500円から1,000円の間になるとして、しかし朝食はご飯と味噌汁、あるいはパンや卵やシリアルなどで済ませる人が多いだろう。一食あたり200円もあれば十分だ。夜は、退勤後に外食するかコンビニなどで買うか、あるいは家にあるもので済ませるか。人によるとは思うけれど、よほど財布に余裕のある人でなければ平均で4桁円も使うとは思えないので、とりあえず500円くらいと想定する。
すると……まぁ食べる量や必要なエネルギー量に、そもそも大きな個人差があるから、絶対的なことは何も言えない。しかし、なるほど確かに40,000円という数字は現実味があるような気がしてきた。

すこぶるコスパが悪い。
中食および外食には人件費がかかっているから仕方ない面はあるが、それにしても食費の節約に慣れきった私からすれば、割高感が否めない。
普通の社会人というのがどういうものなのか、もはや理解する機会を失った私には永遠に縁のない食生活なのかもしれない。そんな私が外食をするのは月に一度か二度といったところで、先月の食費は約15,000円だった。


高校生の時までは、ありがたいことに弁当を持たされていたから栄養を意識することなんて滅多になかった。
大学に入ってからは、財布の中に入っている金で食べるものを決めるようになったので、第一に考えるようになったのはカロリー計算だった。
まだ学生の身分で、それほど自由に使える金はない。まったく使えないことはないけれど、できれば節約することに慣れておいたほうがいい。そういった意識から生み出されたのは、値段あたりのカロリーを最も優先する思考回路だった。

食事から幸せを得る人は多いと思う。私は残念ながら、そのように育つことができなかった。
食事なんて、ただの栄養補給に過ぎない。問題なく食えれば味は気にしない。だから安く済ませられるなら、それに越したことはない。
食に強いこだわりを持っている人が聞いたら怒るかもしれないが、こういうタイプの人間もいるのだということを、ここに書き残しておこう。

さて、そんなわけで現在に至っても食事の選択に最も大きな影響を及ぼしているのは、カロリーコスパという考え方だ。
高い食べ物はコスパが悪い。だからと言って、ジャンクフードばかりでは健康に悪い。最終的に辿り着いたのは、栄養のカテゴリー別にコスパのいいものを買って食べるという方法だった。
炭水化物、たんぱく質、食物繊維……などなど、おおよそ一日にこれくらい摂取すればいいという目安を頭に入れておけば、スーパーで迷うことはあまりない。
時に、足りない分は食べ物という形ではなく、飲み物やサプリメントで補う。塩分や脂質なども意識しておけば、病気になることもないだろう。

そんなこんなで、一日あたりの食費を500円程度まで減らすことに成功した。正直なところ、倍の1,000円を使っても問題ないと思っているし、これより減らすと最低限の栄養を満たせるか怪しくなってくるため、このチャレンジは実質的に終了している。
ちゃんと意識すれば、月15,000円まで抑えられるということがわかったというだけで、今後を生きていく参考にはなるだろう……というだけの話だ。

まぁコスパばかり考えるのも疲れるので、多少は食費を増やしてもいいかなとは思っているけれど、食事のスタイルを変えるのも面倒でストレスになりそうだから、当分の間は月20,000円に満たない程度の食生活を続けることになるだろう。
ちなみに過剰摂取はほとんどないので、まったく太ることはできないし、気を抜くとどんどん痩せていく。ダイエットしたい人は食事を減らそうとするより、食費を減らしていけば上手くいくのではないだろうか。