K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

情報の力

一週間ほど前の日記で書いた、とある知人とのやり取りについて進捗があったので書いてみる。
簡単に言うと、それなりに仲のよかった人間だけれど最近会えていないから、今度どこかに飲みにいきたい。そういう話だった。

 

最初に連絡をした時は、忙しいから時間が出来たら返事をするということだったのだけれど、それから三か月ほど待っても音沙汰なし。
あまりにも多忙すぎて予定を空ける余裕がなく、忘れてしまったのだろう。ということで催促というほどではないが、やんわりと近況を尋ねるようなメッセージを送信した。

案の定、その人は仕事に追われているようで、早くても春までは現況が続くのだとか。このままでは、また忘れられてしまうのではないか……そう思った私は、失念されることのようにもう一人、別の人間を関わらせることにした。
関係者が多ければ多いほど発言に責任が伴うし、忘れられないイベントとして心の中に強く印象づけられるものだ。
共通の知人を追加で誘えば盛り上がるだろうし、約束も確かなものとなるはずだ……と考えた。

今回の件は私にしては活発というか、自ら他人を誘うなんてことが過去にほとんどなかったから新しい経験を積んでいる気分なのだけれど、意外なほど積極的になれているのは情報において優位に立っているからに他ならない。
私は密かに、誘っている両者のTwitterアカウントを把握しているのだ。それぞれが何を考えているのか、どのような生活をしているのか……もちろん全部お見通しというわけにはいかないけれど、何も知らない場合よりは圧倒的に先手を打てる状況を作り出すことに成功している。
特に二人目については、ほぼ確実に誘いに乗ってくるだろうというある程度の確証を持つことができたので、躊躇いなく動くことができた。
一方的に思考を把握している状況における交渉というのは、これほど気楽なものなのかという発見。とても気持ちのいいものだ。

まぁそれほど卑怯な手を使っているわけではない。一人目と二人目は互いにTwitterで繋がっているから、たまに会話が交わされている。そこで、そのうち会いたいという私が考えていたことと同様のやり取りを発見したので、これは使えると考えたのだ。
そして思った通り二つ返事で乗ってきたから、あとは三人のトークルームを作ってしまえば勝手に話が進んでいく。
流れに任せていたら、いつの間にか方向性がまとまっていた。

創作の中で出てくる、心を読む能力とか過去に戻る能力とか、そういうものと本質的には同じようなものだ。知っている、というだけで強すぎる。
世の中を上手く生きていくためには、咄嗟の機転も必要だけれど、事前の情報収集こそが最も重要なのかもしれない。

……それにしても仲のいい知人との会話で、ここまで備えがないと積極性を出せないというコミュ障具合。どうにかならないものだろうか、などと他人事のように考えるうちは、きっと治らないのだろうな。