K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

新体験

昨日に引き続き絵を描こうと思ったのだが、野暮用というか仕事というか、ちょっと外出しなければならない用事が出来たため、時間が取れなかった。
今後はこういう突発的な案件が増えるから、一週間単位の予定を立てて実行するのも簡単にはいかないかもしれない。

 

ということで、某所の某イベントに参加してきたわけだけれど……一言で表現するなら、今までに見たことのない世界だった。
常識が覆るというか、謎の高度な技術の披露宴というか、何かこう、新しいものの片鱗に触れたイメージだ。新時代の幕開けに立ち会ったと言ってもいいかもしれない。
この日記で具体的に書いてしまうのは諸事情により憚られるため、ただただ印象をふわっと語る内容になってしまうけれど、とにかく素晴らしいもの見せてもらったので今夜は存外に気分がいい。

現地に赴くまでは、とある知人とのやり取りがあった。よくわからない私は、従うままについていけばよいと考えていたのに、なんと直前になってキャンセルの連絡が入る。
おいおいマジかよ、もう着いちゃうぞ。
出不精で外に出るのが億劫な私が、そこそこ頑張って気力を捻出したというのにひどい話だ。かと言って、とんぼ返りするのはあまりにも時間と体力がもったいない。本来は、じっくりと絵を描くためのエネルギーがそこにあったのだから。
そんなこんなで困惑しつつも、せっかく来たのだから見るだけ見ておこう。そんな風に気持ちを落ち着けて、なんとか入場に漕ぎ着けることができた。

正直なところ、あまり詳しくない分野のイベントだ。声をかけられなければ、一生関わることがなかったかもしれないレベルのイベントだったので、不安は大きかった。
無知というのは罪なので、非常に居たたまれない気分に陥るのではないか。なんのために来たのか目的を忘れてしまうのではないか。
興味のない事柄に対する集中力のなさには、人一倍の自信がある。今回に限っては、視点を変えてみて、自分の世界を広げるための糧にしてみようかと思いもしたが、すべてはイベントの中身に委ねられることだった。

現地に到着してからも、何かとスムーズにはいかず迷っていた。迷うというか、彷徨うというか。
結果的には事なきを得たので、選択肢を間違えることはなかったとはいえ、こんなドキドキ体験はもう勘弁願いたいところだ。

気になるイベントの内容は、想像していたものの遥か斜め上で、私が知らない世界の中の一つには、こんなにも進化している物事があるのだと思い知らされた。
それは、なんと言えばよいだろう。今日、私の目が捉えた現象は、自分の持つアンテナが劣化していたのか、あるいはアップデートされていなかったのか……とにかくあるべき姿になっていなかったことを、私の内面に克明に突きつけてきた。
知らないから、ついていけないから、目を逸らしてしまう。そうではない。そうではないのだ……新しいことは吸収していかなければならない。
ある意味で途轍もない認識の革命が起こったと言ってもいいくらい、個人的には衝撃の大きいものを見せてもらった。これには確かに価値がある。

そもそも私は、イベントに参加すること自体に不慣れなのだ。イベントというのは、なんでもいい。主催者がいて、人を呼んで、多かれ少なかれ盛り上がる。
今でこそオンラインという形式が普及して、誰でも気軽に参加者の一員になれるようになったけれど、一方で現地でしか味わえないリアルの強みというのは昔から現在、未来に至るまで確実に存在するものだ。慣れていないからこそ、私はいちいち大袈裟に驚く。凄いものを見たと感動する。
ふと思う。参加すれば絶対に人生が豊かになると、しっかりと頭では理解しているのに、頑なに外出する積極性を得ようとしないのは、どうしてなのか。それは、逆に貴重な機会と考えていたほうが、一つひとつに対してより大きな意味を見い出せるから……などと適当な言い訳をしてみる。

ああ、具体的に書けないことの、なんと不便なことか。私以外には、まるでわけのわからない文章になっているに違いない。
畢竟するに、いいものを見せてもらった。それ以外にはもう、何も言葉は要らないのではないかと思う。