K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

一仕事

何事も自分のペースで進めたい……そう思って始めたことなので後悔なんてないし、試行錯誤のしがいがあるくらいだ。
ただまぁ、性格的な判断から選んだ道だけれど、コツを掴むまでは苦しむことも多いだろうなと感じることは否定できない。
記念すべき最初の依頼に対して、私は自らの力量を測りかねていたのかもしれなかった。

 

根っからの夜行性らしく、太陽が見えている間にはどうしても頭が重かったり眠気が勝っていたりして、やる気が出ない。課題を先延ばしにするための言い訳に過ぎないという見方もあるが、実際のところ夜中になると集中力が上がるのだから、効率を重視するなら理に適っているとも言えないことはないだろう。
そんなわけで昨晩……というか今日の朝方にかけての深夜に、未来に繋がる第一歩を踏み出すことにした。

内容についてはここでは書かないけれど、やったことの概要としては大したものではない。その道のプロであれば30分足らずで終わらせてしまえる作業だった。
しかし私は慣れていなくて、知識もない。よくわからない事柄について、わからないなりに調べながらもどうにか形にしていく過程は、会社での研修を思い出すものだった。
最初なので相手も大きな期待はしていないはずで、最低限の質が保たれていればいいという要求だったからプレッシャーなどは特になかった。参考として連携してくれた情報を見ながら、自分なりに整えていくのは面白くもあった。
ただ、私は自身には甘いけれど自身の成果物に対しては厳しい人間だ。やっていくうちに、こんなものでは話にならないとダメ出しをしていくようになる。
何しろ参考として見せてもらった内容が上質だったので、初めの基準が比較的高いところに設定されてしまったのだ。それが将来的な目標というのは理解しているけれど、少しでも近づけたいと思うのは強欲すぎるだろうか。
なかなか納得のいく出来にならず、ああでもない、こうでもないと試行錯誤するのは無限に時間を浪費する行動だ。いつの間にか外が明るくなりかけていることに気づくと、いよいよ焦りを伴う。
そろそろ体力的にも休憩を入れたほうがいいし、半ば徹夜状態なので眠るべきなのだろうが……どうしても譲れないものがある。そんな風に心の中で葛藤しながら、結局は朝になるまで作業を継続した。
決して満足のいくものではない。ただ、初回であることを考慮するなら悪いというほどではないのではないだろうか。とりあえず一段落した成果物を前にして、私は一日ほど放置する選択を取った。
反省点はたくさんあるに違いないが、今はそれは見極める力がない。まずは眠って頭をリセットしなければならない。時間が経てば冷静になれるし、取り組んでいた時とは異なる客観的な視点を獲得することもできる。
他人な見てもらう前のセルフレビューというやつだ。その段階で多くの修正点に気づくことも珍しくない。

それから半日以上が過ぎて、またすっかり昼夜逆転生活の始まりとなってしまったことは残念ではあるけれど、しかし抱えていた課題がようやく解消に向かったことには安堵している。
また暗くなってきて頭が働きを取り戻してきたので、今夜中に手直しできるところは直してしまって、もう私の個人能力ではいったんの限定と思ったところで、レビュアーに投げてしまいたい。
明日の昼過ぎくらいになるだろうか。これでも予定より数日は早いのだから、余裕のあるスケジュール様々というやつで、逆にキツい予定を組まれた場合に対応できるか、やや不安になってくる。

今回、最も印象的な感想としては、自分が深く知らない用件についてプロフェッショナルな結果を求めるのは、非常に大変だということだった。
内容的に興味があるものであれば、それほど苦しさはないだろう。今回は未知の領域ではあるけれど、それなりに関心が持てたので幸いにもどうにかなった。仮に、まるで興味が湧かない分野ばかりになったとしたら地獄の様相を呈するのではないかという懸念もあるけれど、今のところジャンル的には恐れる必要はなさそうではある。

それにしても、表面的な部分だけでよいという話だったので時間をかければ誰でもできると思っていたが、とんでもない。これは確かに、対価が必要なものだ。
いずれは、個人的な関心に基づいて思う存分に力を発揮する場を与えられるかもしれないので、それはそれで今から楽しみではあるのだけれど、その場合は先方からの期待値が上がってしまうからプレッシャーとなる可能性もある。
まぁその時はその時で、好きなだけ悩むとしよう。