K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

春の期待作

今年の冬アニメも最終回を迎えているものが多くなってきて、そろそろ恒例の感想を書かないとなぁ……と思ってはいるけれど、中間地点あたりで記事にした短評からほとんど変化がないというのが正直なところで、いつものようにガッツリと書ける気がしない。
あれから評価を伸ばした作品、落とした作品、とまぁいろいろある中で、当然モチベーションにも変動があった。リアルタイムないしは配信直後に見るアニメもあれば、数週分溜まってしまっているものもある。
こういう言い方はしたくないけれど、次に進むためには数日以内に「消化」しなければならない。さもなくば、おそらく一生見ることはないだろう。

 

春陽を肌で感じるようになってきた今日この頃、そろそろ新しい作品群に意識を切り替えていきたい気持ちもあり、少しずつ情報収集を始めている。
まぁこの段階から注目作に目を光らせたところで、結局は放送後しばらく経ってからの感想や評判を頼りにすることが多いから、無理に焦る必要はない。とはいえ、あまりにも無知でいると名作を逃してしまう可能性があるため、手間のかからない範囲で調べておいても損にはならないのだ。

さっそく本題となるが、四月から放送予定のアニメで、現時点において私が最も期待しているのは『86-エイティシックス-』だ。
原作は2016年の第23回電撃小説大賞受賞作ということで、当時から個人的に注目していた作品でもある。
実は一昔前まで、私はライトノベルというジャンルを読むのが苦手だったのだけれど、知見を広げるためにある程度は摂取しておいたほうがいいと考え、新人賞の大賞作を中心に読み漁っていた時期があった。
その中で出会った『86-エイティシックス-』だが、その文体はライトノベルとは思えないほど重厚かつ読み応えが抜群で……いい意味で異色の存在感を放っていたように思う。

なぜ『86-エイティシックス-』に注目しているかと言うと、もちろん原作が好きだからというのも一つの理由ではあるが、もう一つは本日AnimeJapanで公開された情報にある。
分割ではあるものの、2クールで制作されるということだ。
流石に大作だけあって予算の使い所をわかっているなぁという感じなのだが、何しろこの作品、先にも書いたように文章量が凄まじく中身が濃いだけあって、キリのいいところまで進めようとすると1クールで収まるか非常に怪しいという懸念があるのだ。
販売促進のためのアニメ化という見方をするなら駆け足で作ってしまうことも可能かもしれないが、コンテンツのポテンシャルを考えると、それはあまりにももったいない。
2クールであれば、細部まで丁寧に描いてちょうどいいくらいの尺なのではないか……と思われるため、これには思わず期待値が跳ね上がった。
制作陣を見ても、PVを見ても、これは本腰を入れて取り組んでいるなぁということがわかるので、原作ファンとしては願ったり叶ったりな状況ではある。あとは実際に内容が素晴らしいものであれば……というところではあるけれど、いつか明暗が分かれるその時までは、わくわくしながら見ていきたいと思う。


原作を読んだ後にアニメ化という流れは、過去になかったわけではないけれど、個人的にはあまり経験のないことで、たとえば読んでいる最中に勝手に想像しているキャラクターの声とアニメの声が一致しているかどうかは、わりと重要な問題だ。
メインのキャスト陣については、ここ数年で名前を見るようになった若手が多い印象で、どうだろう……と少し心配している部分があった。というのも、私が脳内に飼っているボイスは中堅以上の声優のものばかりなので、必ずしもイメージとは合わないだろうと考えていたからだ。早見さんのキャラクターだけはこれ以上ないというくらいにぴったりで、驚いたくらいだが。
PVを見た限りでは、全体的にイメージとの乖離はそれほどないようには感じた。何話か見ていたら、きっと慣れるだろうと思える程度に、大きな違和感はない。
特に女性キャストは別の作品で既に声を知っているから、耳に馴染みがある。あとは脳が僅かなズレを修正してくれるのを待つのみ、といった感じだ。

映像面については、主に戦闘シーンがかなり激しく複雑になることが想定されるので、現段階ではなんとも言えないけれど、原作の表現がアニメとしてどのように映えるのか、今のところは期待を膨らませることしかできない。

願わくば、この作品に対して「神アニメ!」という感想を心から言えるくらいに、大物になってほしいものだ。
ただの視聴者の一人ではあるけれど、陰ながらスタッフ陣を応援しております。