K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

投資

儲けた、損した、という他人の話は、個人的には別に面白くもなんともなくて、「ふーん……そうなんだ、よかったね or 残念だったね」以外の感想を抱くことはあまりない。
だって、投資は自己責任で行うものだし、他人の幸福や不幸なんて自分の人生には一切の影響がないのだから、せいぜい前者なら多少の羨ましさ、後者なら恐ろしさを感じるくらいだ。
そういうわけなので日記に書こうかどうか迷っていたのだけれど、先日ちょうどいい機会があった(価格が大きく変動した)ので、精神的なストレスを強く感じた。結果的に何があったというわけではないのだが、まぁせっかくなので心境を忘れないうちに残しておこうと思った次第だ。

 

これは、今年に入って購入したとある銘柄の、現在までのチャートだ。

chart

年初から徐々に上昇トレンドを描き、ついに先日、それが崩壊した。
一応、強烈に反発してはいるものの、先日までのトレンドラインが抵抗気味になっているようにも見えるため、ここからはどちらに大きく動くのかわからない。もっと長期で見れば緩やかに上昇の流れを作っていて、底値を割っているわけでもないため、まだ持っていられると判断したが……はたしてどうなるか。

ちなみに、建値は点線がクロスしている地点で、つまり年明けすぐに買ったことになる。今のところは含み益の状態だ。
何度か高騰の機会はあり、大きな利益を持って退場することはできたはずなのだけれど、指値に届かなかったり、欲をかいて指値を解除したりして、結局は裏目に出てしまっている。しかしミスだと捉えるのではなく、ただでさえ下手くそなのだから、中途半端なところでガチャガチャやって資産を減らすよりはマシだったと思うことにしている。

価格というのは上がることもあれば下がることも当然あるわけで、何度も経験していると慣れてくる……と言うべきなのか、感覚が麻痺してくるため、大きな変動に対しても、初めて相場に触れた時ほど動じることはなくなってくる。
ただ、先日はとうとう、もう少しで建値に戻ってしまうくらいの勢いで下落していったので、流石に焦った。一時はあれだけの利益が出ていたはずなのに、全部なくなるなんて……どうすればいいのだろう。延々と後悔が湧いてきて、正常な判断力を失っていく。
もし状況が違っていれば、うっかり底で売却してしまっていたかもしれない。

実のところ、トレードはこの銘柄以外でも複数やっていて、既にそれなりの利益は出ているのだ。そして、原資抜きを済ませている。
仮に、この銘柄の価値がゼロになったとしても、年初時点から見れば損はしていないということになる。
危機的状況において心を支えたのは、「最悪なくなっても構わない」という考えだった。
結局のところ、重要なのは心の余裕なのだ。
失敗をしてもマイナスにならないという心の余裕があるからこそ、想定外の状況においてもどっしりと構えて対応できる。まぁ対応というよりは、「何もしない」という選択肢を選んだだけなのだが。

それでも残念に思うのは、これだけ世界中が大きく盛り上がっている相場なのに、この程度しか利益を出せていないという点だ。私が下手だからという以外に原因はないのだが、売買の判断が未熟すぎて振り返ると嫌気が差す。機会損失も甚だしい。
こればかりは、失敗を重ねて経験値を積む以外に学ぶ手段はないと思うのだけれど、少なくとも私には短期投資で儲ける天性のセンスのようなものはなさそうだとわかった。
下がったところで買い、上がったところで売るという、考えてみれば当たり前のことを、当たり前のように実行できる人は、本当に凄い。