K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

独特の解放感

生活習慣崩壊の引金になりかねないPC動かない問題だけれど、今日は徹底的に原因を突き止めるために動き回った。
使えなかった昨夜は虚無そのものだったし、この状況が今後も続くかもしれないと思うと絶望的な気持ちになったから、やはりPCという万能な機械は生命力の源なのだ。
なんとしても安寧を取り戻さねばならない。強い想いを持って家を出た。

 

昨日の時点でBIOS画面には入れていたし、操作に問題がなかったから、原因はWindowsのシステムファイルにあるのではないかと当たりをつけていた。
BIOSからWindowsの起動時にフリーズしてしまうのだから、物理的な故障というよりはシステム的なエラーだろうという説だ。

セーフモードで入れればよかったのだけれど、Windows10にはメーカーロゴ画面でF8を押してセーフモードを起動するオプションがデフォルトの状態では存在しないため、多くの「検索結果」はアテにならなかった。
最も頼りにできそうなのは回復ドライブを使う方法だったけれど、残念ながらそんなものは手元にない。作成するには異常の発生していないWindowsで作業を行う必要があるため、自宅の環境では難しい問題だった。

仕方なく実家に帰省しPCを借りて、道中で購入した安い64GBのUSBフラッシュドライブに回復用のシステムを書き込むという、非常に面倒な作業を済ませてきた。
結果から言うと、この回復ドライブは完全に無駄だったわけなのだが、まぁいざという時に備えて持っておくのは悪いことではない。
今回、PCの不具合について調べていく過程で、だいぶ知識も付いたように思う。


家に戻り、用意したUSBメモリを挿し込んで、再び起動を試みる。
念のためBIOSからブートの優先順位を入れ替えておき、WindowsではなくUSBが先に動くようにする。
さて、どうなるか……金と時間と体力を使った分だけ、それなりの期待感はあったのだけれど、残念ながら回復ドライブが動き出すことはなかった。

この時点で、SSDもしくはOSの破損なのではないかという疑いは、微妙な感じになる。要するに、外部メディアすらエラーを引き起こすのだから、OSを読み込む前に原因があるのではないか。そういう話だ。
最初の読みは外れたようだが、ソフトウェア的な問題ではなく、ハードウェアに異常があるという方向で考えたほうがいい。思考を切り替えてからの行動は速かった。

まずはグラフィックボードを外してみる。ネジを二つ取るだけで、意外にもあっさりと外れたグラボは埃を被っていて、日常的な掃除不足を思い知らされた。
元に戻して、今度はCPUだ。CPUは何かと大変そうだったので、とりあえずファンを留めている金具を緩める程度にしておいた。
最後にメモリだ。二枚挿しなので両方とも、抜き差しを試みる。なかなかに固かったけれど、慎重に扱うのを意識しながら、なんとか終わらせることができた。
そして再び起動させてみるが……またしてもフリーズしてしまい絶望する。

ああ、もう駄目なんだ。
買い換えるしかないのかもしれない。
気持ちが一気に萎え始めて、最後の最後で見つけた光は、Twitterにあった。

似たような症状に対する、結果報告のようなツイート。そもそも回復ドライブが動かないという点について、それ自体がヒントになっているのだと教えてくれたのだ。
OSやメディアから読み取った情報を一時的に保管し、動かすために使う場所。それはメモリだ。
先ほど、一度は外して付け直したメモリだったが、二枚のうちの片方を外して、今度はそのままPCの電源を入れてみた。
あれだけ止まっていた「くるくる」が、なんと普通に回っている。回復ツールの画面が表示され、トラブルシューティングも可能になった。

なぜ、もっと前に試しておかなかったのか。結果論にはなるが、明らかになってみれば、それ以外にないというような応えだった。
8GB×2のデュアルチャネル構成で、片方が死ぬとPCそのものがまったく動かなくなるなんて……実際に経験してみないとわからないものだけれど、よく考えてみれば何も不思議はない原因だった。
ひょっとするとスロットのほうが駄目になっている可能性もあるけれど、とにかく一枚で動くようになったので、一安心といったところだ。

まぁただでさえ酷使させがちなのに、メモリ半分という現状では大きく負荷のかかる使い方はできないし、ブラウザを開いているだけで70%近い使用率なので、新しく買う必要がありそうな気はしている。
それはそれとして、抱えていた厄介な問題が解消した時の感覚は素晴らしいもので、マイナスがゼロになっただけだというのに、ありきたりなプラスの出来事よりもずっと心地がいい。

精密機器というのは本当にいつ使えなくなるかわからない。だからこそ、過剰なくらいの備えを用意しておく周到さが人生の余裕を左右するのかもしれない。
定期的なバックアップや、予備パーツの買い揃えなど、一気に進める必要なないけれど、今回の学びから少しずつリソースを割いていきたいと思った。