K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

これだから冬は

今朝方、いつものようにPCの電源を入れると、画面に信号が送られないという現象が起きた。本体は動いていて、マウスやキーボードには通電している。しかしOSを起動できるだけの出力が不足している……専門家ではないのでよくわからないが、軽く調べた感じではその認識で合っていそうな気がした。
実は過去にも、同様の事象に悩まされたことがあったのだ。それも一度や二度ではなく。

 

PCを構成する重要なパーツである電源ユニットは、寒さに弱い。
眠っている間は暖房を切っているから、寝起き直後は室温が相当に下がっている。そのため冬は、起きてすぐにPCを立ち上げようとしても上手くいかない可能性があるのだ。
下手にスイッチのオンオフを切り替えて負荷をかけるよりも、暖房の電源を入れて、室内が暖まるまで30分から1時間くらい待ったほうが好ましいのかもしれない。
わかっていても何度か試してしまうのが人の心というものだが。

三年近く前のことだった。冬に入り、今回と同じようにすんなりと起動しない不具合が何度も発生した。どうやら電源を切ると駄目になるらしい。そう考えた私は、日中はつけっぱなしにしておき、夜中はスリープ状態にすることで、なんとか異常の回避を試みていた。
しかし、Windowsの更新であったり、高負荷によるフリーズであったり、まぁ何かと電源を切らなければならない事態に陥るわけで……具体的にどういうタイミングだったかは失念してしまったけれど、ついにいくら待っても反応が返ってくることはなくなってしまった。
これは、今使っているPCではない、古いデスクトップの話だ。
完全に故障してしまったのだろうと諦め、新しいゲーミングデスクトップPCを購入して、その冬はどうにか難を凌ぐことができた。幸い、HDDのデータは無事だったので、長く使っていたし、ちょうど買い替え時だったのだろうと納得することもできた。

しかし、それから約一年後、再び同じ問題に直面することになる。
おいおい、まだ買って一年だろう、と困った私。前回と違うのはPC内部の作りで、やろうと思えば自分でパーツを換装することができそうに思えた。
ある種の賭けではあったけれど、電源ユニットを購入、交換してみると……無事にPCが起動した。動いた瞬間は感動した。電源の付け替え作業は想像していた以上に大変だったからだ。専用の道具なしに手作業であったため、爪の先はボロボロになったし、本当に大丈夫なんだろうか、無駄足なんじゃないだろうかと何度も絶望感を味わった。
結果的に問題は解消されたので、当時は心から安堵した。もうこんな作業やりたくない。せっかく、そこそこ高めの電源ユニットを買ったのだし、当分は大丈夫だろう……そう思っていた。
思い返せば、昨年は冬でも問題なく動いていたような気がする。あまり記憶にないということは、おそらく正常に作動していたのだろう。流石に交換から一年で故障ということはなかったらしい。
残念ながら、その翌年である今年の冬は、また苦労しそうな雰囲気になってきたわけだが。

今朝の話に戻ると、動かないPCを前にして再び電源の不具合を疑った私は、しかし前兆なしにいきなり壊れてしまうこともないだろうと考えた。
とりあえずカバーを外して、中の様子を探ってみる。わかっていたが、見るだけで原因が判明するわけがない。ただ、あまりにも埃が溜まっていて汚かったので、手の届く範囲を掃除することにした。
だいたい1時間くらいだろうか。掃除が終わって、室温もだいぶ上がってきたので、そろそろ大丈夫なのではないか。そう思い、いったんモニター以外の機器との接続をすべて外して、恐る恐る起動させてみる。
すると、普段よりは時間がかかったけれど、画面に反応があった。
二年ぶりの心からの安堵。そして溜め息。
電源が弱ってきているのはわかったから、とりあえず当分はスリープ状態で対応することにして、朝はなるべく部屋の温度が上昇してからPCを使うようにしなければならない。
もし完全に故障してしまったら、また電源を買い替えることでなんとか対処したいところだけれど、はたして同じように上手くいくだろうか。今度はもっと高価で、付け替えが楽なタイプにしよう。

突発的なアクシデントに生活のペースを乱されただけでなく、いつ再発するかわからず根本的な問題の解消には至っていないという事実に、捌け口のないストレスが生じている。これもまた、他の様々なショッキングな出来事と同様に、時間の経過による解決を待つしかないのがもどかしいところ。
冬というやつは、私自身が体質的に弱いし、人生の必需品であるPCにも重大なダメージを与える可能性があって、本当に嫌な季節だ。まだ秋が終わったばかりだけれど、早く春になってほしい。