K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

本質アニメは人を変える

久しぶりに、ちゃんとアニメを見た。
一応、今期も惰性で見ている作品はあったのだが、あまりにもアニメに対するモチベーションの低下が著しくて、なかなか本数を増やせないでいたのだ。
だから、既に評価が定まってきている少し前の作品に手を出すのは自分にとって意外な行動であったし、ほとんど一気に最後まで見ることになるとは想像もしていなかった。

 

本当なら、ここで感想を書きたい気持ちがあるのだけれど、残念ながら今日はそういう流れではない。
というのも、最後まで見終えてから、私は気絶するように眠ってしまったからだ。

冒頭に書いたように、ちゃんとアニメを見た。ちゃんと、というのは、外側の余計な思考を意識から取り除いて、作品世界に没入すること。登場人物の関係性や台詞の意味について、より深く考えながら視聴することだ。
劇場で映画を観ている時の状態に近いかもしれないが、特徴としてはとにかくエネルギーを使う。

このところ私は、PrimeVideoなどで見られる普通のアニメについては、ぼんやりとした意識で向き合っていた。
前回から一週間が経ち、配信が更新されたから、空いた時間に再生するだけ。そこには大した熱意はなく、とりあえず途中まで見ておいて放置するのは気持ち悪いから消化しておきたいという、ひどく後ろ向きな理由でしか動くことができていなかった。
だから、数か月ぶりに前向きな心持ちでアニメに臨めたのは私にとって大きな変化であったし、作品自体の面白さが有象無象のアニメ群と比較して段違いのものだったおかげで、全エネルギーを集中して費やすことができたと言ってもいい。
端的に言えば、脚本の天才性が光る素晴らしい作品だった。

あまりにも面白くて、立て続けに見ることになったけれど、一方で私は久しくアニメに熱中していなかった。身体が不慣れなことをしている。
当然、終わってからの反動は他のあらゆる日常動作とは比べ物にならないレベルで、起きていることができなかった。
摂取した情報量を脳が一度に処理しきれず、パンクしそうになる。急速に感じる眠気の中、かろうじて布団に辿り着いた後、次に気づいた時には外が暗くなっていた。

 

内容に関する話は、明日以降のどこかのタイミングで書くつもりだが、この作品はミステリ的な要素が中心にあるためネタバレには配慮しなければならない。
いや、読者を想定していないのだから、そんな必要はないのかもしれないが、しかし作品の真の魅力は物語終盤に解き明かされる仕掛け部分だけに留まらないのだから、散らかった周辺要素を整理する意味でも、なるべくネタバレにならないような方針で書きたいと思った次第だ。

この作品は、パッと見た印象では冴えないアニメという感じなので、評判がなければ「とりあえず見てみよう」とはならない作品だと思っている。
Twitterで調べてみたら絶賛ばかりで、優れた作品であることは確かなのだが、いかんせん娯楽に溢れた世の中において、よくわからない作品を優先する理由はない。いわゆる、0話切りの対象になりがちなのではないだろうか。
実際に私も、とある人の話を聞くまでは見向きもしない作品だったので、人生を損するところだった。
熱意に溢れていた数年前なら自力で気づけた可能性もあるけれど、今の状態ではなかなか難しいところがある。
まぁ皮肉なもので、そういう状態の人間に合うのは、まさにこの手の上質な作品に限るわけなのだが。

一眠りして、ようやく過剰供給された情報の処理が脳内で進んだらしく、今は落ち着いている。
もう少し経って余裕が出来たら、誰かが書いているであろう考察の記事などを漁ってみて、より作品への理解を深めていきたいところだ。