K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

アニメ視聴再開

確か昨年の夏頃からだったので……およそ一年ほど、長年の習慣だったアニメ視聴という趣味に没頭できなくなっていた。
アニメに向き合えなくなったのは、これというきっかけがあったわけではないのだが、様々な要因が重なってモチベーションを維持できなくなったように思う。
別に、惹かれるアニメが一切なかったというわけではないのだ。かつての正常な状態であれば、迷うまでもなく一話から食いついていた作品だって、いくつかオンエアされていたはずだ。
しかし、私は見向きもしなかった。なぜだろう。趣味が趣味でなくなることの奇妙な感覚は、決して快いものではなかった。

 

心の中では、見よう見ようと思っていたに違いない。だって直感的には、気になるアニメが目に入ることが少なくなかったのだから。
先週か先々週のどこかで書いたけれど、私は物事に対する熱意が冷めにくい。一方で、もし万が一にも冷めてしまった場合には、再燃するまで非常に長い時間を要することになる。
興味があるのに見るところまで行けないというのは、きっとアニメに対する熱意が失われてしまっていたことが原因だ。
10年……いや15年近くも続けてきた、習慣的にアニメを見る行為が、いつしか途轍もない重荷になっていたのかもしれない。
なんとなく見るのを止めてみたら、意外にも平気だった。次から次へと供給される新しい作品群に、まったく手を付けない。昔なら依存症のように欲していたはずのそれを、もはや完全にスルーできるようになってしまっていた。

見なくなったと言っても、完全にアニメという趣味を捨てたわけではない。
一応、以前に面白く見ていた作品の続編であったり、Twitterで話題になっている作品の一部であったりは、なるべく頑張って見る機会を作ろうとしていた。
見るためにある程度の努力が必要という時点で、もはや積極的なモチベーションは失われたに等しいのだが、それはさておき、見たら見たで普通に楽しめる。
これは、習慣化できていない日頃の作業目標に少し似ている。無意識のうちに始めることは難しいけれど、コンディションが整っていざ取りかかることができれば、待ってましたと言わんばかりに強烈な集中力を発揮する。

アニメを見るという趣味に関して現状の課題として挙げられるのは、意識的にエネルギーを使わなければアニメに向かえなくなった身体を、無意識のうちに動かせるようにすることに他ならない。
朝起きて、適当に朝食を摂って、惰性でソシャゲのデイリーミッションを消化し、目の前にある課題を進めたり洗濯や買い出しなど生活に必要なタスクをこなしたりしていく。その流れの中に、無理なく組み込むことができたら理想的だ。
昨年の春までは問題なく実施していた習慣なのだから、再び軌道に乗れば感覚を取り戻すまで長くはかからない。そんな気がした。

 

今期のアニメは、現在までで2話か3話まで放送されているものが多い。
もちろん、すべてに目を通そうなんて思っていないが、少なくとも関心を抱いたアニメくらい、躊躇なく見られるようになりたい。
そういう気持ちのもと、とりあえず一日に見る本数を体力的に無理が生じないように制限して、趣味として再開することになった。

続編モノは比較的、抵抗感なく触れることができる。
そうでない作品は、原作モノよりオリジナルのほうが魅力的に映る。まぁこれは以前から当てはまる私の傾向なのだが、既に世の中に一定の評価が出回っている作品よりは、最後まで見ないとどうなるかわからないオリジナルアニメにこそ、優先して時間とエネルギーを注ぎたい。
自らの中にある基準に照らし合わせて、本数が増えすぎないように、慎重に選定した。

現時点では、見始めたアニメが私の心を満足させる価値を秘めているかどうか、わかるはずもない。これは、ある意味でギャンブルなのだ。
POG指名した馬がクラシックで好走するほど強く成長するか、あるいは未勝利のまま終わるか……見るアニメが自分にとってアタリとなるように祈りつつ、恐る恐る再生ボタンを押す。

まだ完全に調子が戻ったとは言えない。
連続して数歩のアニメを見ると、ガッツリ体力を持っていかれたように身体が怠くなる。本当に疲れてしまうのだ。
ただ、スタートさえ決めれば最後まで走りきれるのが私の素晴らしいところで、今のところ6作品を見始めることに成功し、これらは継続視聴できそうな雰囲気を感じている。
さらに、あと数本は見たい作品があるため、最終的にどれくらい見ることになるのか不明だけれど、先月までとは比べものにならないくらいのモチベーションが戻ってきたのは、確実と言っていいだろう。

ただ、腐っても長年のアニメオタクであるがゆえに、無駄に目が肥えている点だけは憂慮しなければならない。
できることなら、なるべく若者の感覚を身に着けたいのだ。流行っている作品の魅力に気づき、純粋に楽しめるように、自らのセンスを不断にチューニングしていかなければならない。
合わない気がするからと印象だけで文句を垂れて、目を逸らすことだけは避けたい。可能なら、視聴した全作品を心から楽しみたい。
まぁ現実は、そう上手くは進まないものだが。

再来月の終盤に、昨年まで書いていたアニメの感想記事を久々に作成しようか……まだ決めかねている。
というのも、見たアニメをすべて取り上げようとすると、莫大な労力が要求されるのだ。どうせ、誰にも見られていないというのに。
そういうわけで、見たアニメの中から、特に感想を述べたい数作品に絞って書いていく形になるのが現実的だろう。
いくつか話題作はあるが、それらが今後どのように展開し、視聴者にどんな衝撃を与えるのか……今はそうしたアニメの醍醐味を楽しみにしている。