K's Graffiti

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胃腸の破壊

大食いが要求された晩餐から一日が経過し、今の私は頗る体調を崩している。
寝込むほどではないけれど、確実に体内バランスが崩れていると自覚できる程度には、気分が悪い。
過剰に腹が膨れた昨晩は、眠るまでに数時間の休憩を取り入れたのだが、それでも貧弱な胃腸を持つ私には効果がなかったらしい。
あと少しで眠れるか眠れないかという深夜に、吐き気を催して身体を起こさざるを得なくなった。

 

過去に何度も経験のある、過剰に摂取した食後に起こりがちな消化不良の問題。平均的な人間に比べて消化に時間がかかるというだけでなく、日頃とは桁違いに分泌された大量の消化液を持て余して、胃が不快感を訴えてくる独特の感覚だ。
いわゆる、胃もたれとか胸焼けとか、一般的には主に中年以降にありがちな悩みなのかもしれないけれど、私は十代の時分から馴染みのある体質的なディスアドバンテージだった。
これで吸収能力も低いものだから、本当にコスパの悪い身体だと思う。

とにかく胃が気持ち悪い。勢いよくトイレに駆け込むほどではないにせよ、油断していると吐き気に促されて逆流しかねない。
こうなるともう、起きているしかないのだ。胃の内容物が重量の影響で食道に悪い影響を及ぼさないように、姿勢を意識しながら腹式呼吸で気を紛らわせる。
眠気はあるが、それ以上に不快感が強いため眠ることはない。何もできずに、ただ座って時間が経つのを待つだけ。
胃腸の動きが活発になる気配を察して、あと少しだと思った。もうしばらく辛抱すれば、ようやく身体を横たえることができるようになるだろう。

もうすぐ日の出というくらいの時間になって、ついに胃の状態が改善した。
もう寝ても腹が不調を訴えることはない。やっと、眠れる。
次に起きたのは数時間後で、意外にも寝すぎるということはなかったが、起床してから気づいたのは、やはり胃腸の環境がたった一度の暴食で壊れてしまったということだった。

 

世の中には消化能力の高い人間がいる。たいていは肥満よりの人間だとは思うが、そういう人はちょっと食べすぎたくらいでは何も苦痛を感じないのだろう。
昨夜の私は、食後八時間が経過するまで胃の負担が軽くなることはなかった。調べてみたら、普通は四時間か五時間くらいが目安ということなので、胃腸が強い人の半分くらいしか消化能力がないことになる

胃腸のバランスは全身のバランスと連動する。過去にも飲み会の後など、食べすぎた日の翌日は高確率で具合が悪くなっていたから、今日という日が体調不良のために犠牲になることは想定できていた。
当然、午前中は食欲がなく、昼食と夕食は胃への刺激が弱いものを食べることになった。寝不足でもあるから、気を抜いたら一日中を昼寝に費やしてしまっていたかもしれない。
適当にゲームで遊んでいたら眠らずに済んだから、不幸中の幸いではある。体調を崩した上に、このところ安定感のあった生活リズムまで歪んでしまっては目も当てられない。

運が良いのかタイミングの問題なのか、今のところは腹を下すところまでは行っていない。
一応、食べたものが腸を通過するであろう明日までは要注意といったところなので、今夜は胃腸薬を飲んで安静にしておくのが吉だろう。

食べても体重が増えないどころか、下手をすると減少してしまう体質だから、本当に食事のバランスというのは難しいものだ。