K's Graffiti

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エリザベス女王杯2021回顧

競馬なんだから、たまにはこういうこともあるよね。軽く買って楽しんで見る分には、こういった感想しか出てこないけれど、あまりの大波乱に人生が狂った人もいるかもしれない。
ただ一つだけ言いたいのは……とりあえず全馬無事で安心した。

 

私が本命にしていたウインマリリンは終盤に沈んでいき、残念な結果になってしまった。
不安視されていた状態については、第三者からはほとんどわからないので適当なことは書けないけれど、どうやら実力を発揮できるコンディションでなかったのは確からしい。
失速具合から怪我を心配したけれど、今のところそういった情報は入ってきていないから、じっくりと休養して次を目指してほしい。

レース全体の流れとしては、馬場が荒れ気味にもかかわらず早めのペースで進んだ影響なのか、先行していた馬はことごとく最終直線で伸びを欠き、後方で脚を溜めていた人気薄の馬と入れ替わる形で決着することとなった。
掲示板最高人気が7番人気という非常に珍しい結果に、払い戻し額は爆発して3連単が339万という見たことのない数字に……メンツだけで考えたら、本気で買っていたら3連複は取れていた気がしないでもないけれど、一人でタラレバを語っても虚しいだけなので、ほどほどに控えておきたい。

馬券的に支持されていて、おそらく力を持っていると思われている馬というのは、下手なことはしないものだ。過去の勝ちパターンを踏襲する形でレース運びができたら、基本的には上位に入れる。
たとえ極端な外差し馬場であったとしても、土壇場で戦略を変えて結果を残せる保証なんてないのだから、そこが競馬の面白いところであり難しいところでもある。
偏った馬場が発生した時は、そういう意味では馬券的に狙い目なのかもしれない。
今回は人気上位馬の多くが先行タイプだった。有力馬にとっての不運は、その上でペースが上がってしまったことに尽きるだろう。

人気馬の中で唯一、中団から後方にいたウインキートスが掲示版にも入れなかったのが意外なところで、逆に道中ルメール騎手が必死に抑えていたように見えるレイパパレが6着に残ったという点については、実力を見誤っていたと思わざるを得ない。
前者は単純に能力不足なのか、はたまたマリリンと同様にオールカマーがピークで調子を落としていたのか。
後者は距離不安があったから大きく評価はしていなかったけれど、他の逃げ先行が大きく後退していく中で粘りを見せてくれたので、1800くらいの距離で逃がしたら敵なしというか、サイレンススズカみたいになる可能性も僅かに感じることができたような気がする。

こういう結果になった原因を考えてみたのだが、最も大きな要因が馬場状態なのは前提として、問題は展開のほうだと思う。
ハイペースになったから、前が潰れた。それでは、どうしてハイペースになったのか。そのヒントは、騎手にあるのではないだろうか。
これまでのGⅠシリーズと異なるのは、リーディング上位にいる川田福永両名が米国遠征の影響で騎乗していないというところにある。
二人とも馬場を読むのが上手い。展開を予想し、勝てるポジションを取って、自分に有利なレースを組み立てようとする優れた「競馬脳」を持ったジョッキーだ。その二人が不在ということはつまり、普段よりも不安定な流れになりやすいということを意味する。
もちろん、ルメールも上手い。ただ、テン乗りのレイパパレをコントロールするのに精一杯で、全体のペースを支配するほどの余裕はなかったように見える。もう少し折り合いやすい馬だったり、本来の脚質が差しだったりすれば、きっと楽に勝つことができたのではないかと思う。

 

エリザベス女王杯_3連複

馬券は予想記事から少しだけ買い目を増やしたもの。結局、アカイイトは買えていないのだが、個人的によくある一着以外は候補にできていたパターンだ。

何度も払い戻しの倍率を見て、もっとしっかり買っておけば良かったと思う。人間だもの。ちょっとした思考のズレで取れたかもしれない大金だ。悔やむ気持ちが出てくるのは止められない。
しかし、こんなに荒れるのは数年に一度くらいのものだろうから、来週のマイルCSに同じような展開を期待してはならない。
同じ阪神競馬場とはいえ、有力馬の脚質が差しなので、そのまま勝ってしまう公算が高い。エリ女は絶対的な存在がいなかったけれど、来週は逆らう必要なんてないのだ。

ふと、今回のレースにジェラルディーナが出ていたら……などと思った。
あのジェンティルドンナの娘で、先月の西宮Sで見せた強烈な末脚は記憶に新しい。エリ女で5着に入ったイズジョーノキセキに完勝しているのだから、GⅠ級の実力は持っているに違いない。
はたして馬場と距離が合うかは不明だが、明らかに今日の展開は彼女が見せ場を作れるものだったように思う。

さて……なんだか稀に見るレースで妙に落ち着かない気分になっているけれど、まぁ大きく賭けて大敗したわけではないから、気持ちを切り替えて年末まで競馬を楽しんでいきたい。