K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

ひと掃除

まだ年末と言うには早い時期ではあるが、怠惰でズボラな私には珍しく、ちょっとした掃除を実施した。
そもそものきっかけは掃除と無関係だったのだけれど、「せっかくだから」という気持ちは思っているよりも大きいらしい。少しばかり普段と違う行動を取った結果、流れで体力を使う家事をする羽目になった。
なお、わけあって実質的に昨日から睡眠を取っていないため、今日の文章は正常に働いていない頭を無理やり使って書いている。間もなく就寝する予定だ。

 

昨日の夜、買い物に行ってきた。いつものようにスーパーで、適当に一週間くらい食いつなげる程度の買い込みではあったが、食料以外にも目的があった。
ちょうど、家にあるティッシュペーパーが切れかかっていたのだ。ティッシュというのは非常に便利なもので、日常における使用機会は日用品の中では最も多いと言っても過言ではない。
特に私は、おそらく一般的な人間よりも消費量が多いため、油断しているとすぐに箱が空になってしまう。完全に切らしてしまえば、それはもう死活問題に等しい。

失態に気づいたのは帰宅直後のことで、ほとんど脳死状態でいつもの商品だけを買ってきた私は、ティッシュのない生活が間近に迫っていることに絶望感を覚えた。
家を出る前には意識できていたはずなのに、店に到着する頃には忘れている。ルーティーンから外れた目標を達成するためには、何かしらの失念しない工夫が必要ということなのかもしれない。これまでにも似たような事象がなかったわけではないが、今回ばかりはショックが大きかった。

さて、残ったティッシュは数枚だ。取ろうとすると箱ごと持ち上がる、特有の現象に苛つく。
朝一で買いに出る手段もないわけではなかったけれど、出不精の私が連日の外出は厳しい。ここは、このところ活用していなかったネットスーパーの使いどころなのではないかと思った。
ただ、ネットスーパーには配達料というものがある。最近どうにも吝嗇気味になっているから、ティッシュだけのために注文するのには抵抗感があった。
以前は食材を買うのに利用していたけれど、あいにく自分で買ってきたばかりだから、冷蔵庫も冷凍庫も余裕がない。それでは何を買うべきか。
すぐに思いついたのは、掃除用具だった。そういえば、トイレや洗面器、シンクの中などが随分とカビで汚れてしまっている。気にしないから手入れを放置していたけれど、きっと他人に見せたら大きく引かれるに違いない。気味悪がる表情が容易に想像できる。

あまり掃除用品には詳しくなかったので、ネットで調べながらカートに入れていった。わりと安いものばかりで配達料を誤魔化せたような気にはならなかったが、ひとまず当面の問題は解消できそうなアイテムは決まった。
ここで悩んだのは、配達時間だった。
何しろ昨日は起きたのが夕方で、注文をしたのは日付が変わって間もない頃。眠ろうとしても難しく、しかし起きたままでは途中で我慢の限界を迎える可能性もある。
結局、昼過ぎの時間帯に設定して、それまでは頑張って起きていることにした。

昼より少し前、配達直前になって倒れてしまう可能性に不安を感じたため、30分程度の仮眠を取る。
念のために複数のアラームをセットしておいたが、やはり予定のある状況では起きられるとわかった。まったく足りていないにもかかわらず、なんでもない日にはありえない気力を発揮できる。
そうして無事に受け取った後は、若干の気怠さを無視して身体を奮い立たせた。せっかく届けてもらったことだし、やる気のあるタイミングで動かなければ諸々の契機を逃してしまう。

床に散らかっていたゴミなどをポリ袋に突っ込み、ペットボトルを潰しまくりスペースを作って、排水口にはキッチンハイター、トイレにはトイレハイター、ついでに洗濯機も回してしまう。
換気扇フル稼働で午後の時間を「当たり前」の家事に費やした。はっきり書いておくと、とても疲れた。あと半年くらいは、何もせずに放置していてもいいのではないだろうか。

 

実際に手を動かしたのは前半の片付けパートがほとんどで、後半は塩素系漂白剤を垂らして汚れが溶けるのを待っていただけだから、やっていたこと自体の難易度は高くない。
それにしても、本当に汚れが落ちるのか懐疑的だったから、しばらく経って覗き込んだらカビの大半が消えていたのは新鮮な驚きだったかもしれない。
取り扱い注意の劇薬なわけだから、管理には気をつけておきたい。

短い仮眠だけで、半ば徹夜状態。慣れない肉体労働を一応は達成したことを考えれば、引きこもりの体力でよく頑張ったと評価してもいいのではないか。
実家にいた時には気づかなかったけれど、親は定期的にこんな面倒で疲れる家事を平然とこなしていたのだろう。食事に関しても言えるが、本当に頭が上がらない。