K's Graffiti

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初夢の話

一月一日よりも後の睡眠で最初に見た夢を初夢といって、内容によって一年の運を占えるらしいのだが、いかにも日本人的な発想というか風習というか、あまり真面目に捉えるのはバカらしい。
かつては私も日本人として、初夢に期待していた時期もあったかもしれない。今ではTwitterを見てようやく、そんな文化があったことを思い出すくらいだが……しかし、一度でも意識してしまうと、そういえば今年はどんな夢を見たのだろうと考えずにはいられない。

 

今日が一月三日だから、初夢を覚えているの可能性があったのは昨日の寝起き時点ということになる。ただ、残念ながらどんな夢を見たのか、まったく記憶にない。
実は大晦日から今日までで、夢を見た回数自体は異常に多い。認識が間違っていなければだけれど……一夜のうちに「何かの夢を見た」という複数の感覚を経験しているのだ。年が明けてからの睡眠をすべて合計すると、十回は超えている気がしている。

原因を考えてみたのだが、おそらく睡眠の深さに依存している。
非常に疲れていて眠い日の夜、その睡眠は朝まで深く続いていくから、不思議と夢を覚えていないことが多い。一方で、あまり眠くない日の夜や、考え事に悩まされている場合の睡眠は、質が低くなりやすい。浅い眠りが断続的に発生して、そのタイミングで夢を見るのだ。
よく、早朝の寝起き直前に夢と現実の狭間に惑わされることがあるけれど、あれは脳が半分だけ覚醒状態だからなのだろう。夢を夢と認識できるかは別として、脳内で展開される映像がかろうじて記憶に残るコンディションがそれなのだ。

ちなみに、眠りが浅くなっている理由は簡単で、ほぼ毎日どこか日中の時間帯に昼寝をしているからだ。
夜中ぐっすりと眠れず、想定より早く目が覚めてしまう。早起きした分だけ昼過ぎに眠くなって、実家にいるため特にやることもないから布団に潜り込んでしまう。それも熟睡というわけではなく、なんとなく寝ているだけ。結果的に夜の眠気は弱くなって、全体的に眠りが浅くなる。
睡眠時間に対する披露の回復度合いは、きっと頗るコスパが悪いことだろう。深い睡眠を一発で決めるほうが、ずっと元気は出るはずだ。
わかっていても、正月という空気が人を堕落させる。仕方ない。例年のことだが、数日も待てば自然と改善するものだ。

さて、たくさん夢を見た私ではあるが、はたして初夢はどんなものであったのか……上に書いたように、なぜか一切のイメージが頭に残っていない。
なぜなのだろう。起きた時点で、つい数分前まで何かしらの夢世界で生きていたことを認識しているというのに、その夢についてのあらゆる要素が完全に飛んでしまっている。たいてい寝起き直後なら思い出せるものなのだが、今年の夢はかつてないほど印象が薄いようだ。
初夢が強烈でないということが何を意味しているのか、あまり気になるものでもないけれど、これだけ夢を見ていて断片すら覚えていないというのも若干の気持ち悪さがある。

まぁ下手に嫌な夢を見て気分が落ち込んでいないだけマシと思うことにしよう。