K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

新しい隣人

昨日の午前中から午後にかけて、神経質な私が不愉快に感じる出来事が起こった。
ガタガタと物音が断続的に響き、人の声や足音や、とにかくそれは「騒音」と言ってもいいくらいだった。
隣が空室になっていたのは知っていたから、遅かれ早かれの問題ではあったけれど、ようやく多少は気が楽に過ごせるようになったと思っていたのに……オアシスは年末年始の短い期間で終わってしまったようだ。また穏やかな生活が脅かされるのではないかと、常に警戒しなければならなくなった。

 

半年以上前に、立て続けに書いていた隣人の騒音の件については、このところ落ち着いている。たまに異常な物音に驚かされることはあるけれど、世の中の感染状況が緩和するにつれて隣人の外出頻度が増えたようで、生活リズムを破壊されるほどの迷惑を被ることは少なくなった。
一方で反対側の隣人は昨年末に退去したらしく、ここ最近は他人の生活音を感じることが少なく、逆に物音に気遣う必要もなくなって、精神的には極めて安定していたと言っていい。

さて、どうやら昨日、新しい住人が入ったらしく、家具の設置や荷解きの音が昼から夜にかけて続いていた。
昨日は別の内容で日記を書いていたから言及しなかったけれど、これは流石に無視できないと思ったので、今日は現時点での印象を書き残しておきたい。

引越し業者と思しき人間が去った後は声を発していないようなので、今のところ性別は不明だ。ただ、男にせよ女にせよ、前の住人のほうがマシだったような気がしてならない。
まず不満なのは、どうやら机のようなものを私側の壁に設置したらしいということだ。部屋の中でも家具の配置によって、主に活動する場所が変わる。反対側のクソ女も机を私の側に置いているから、不運にも挟まれる形となってしまっている。
まぁ完全に運が悪いだけなのだが、これは隣人の行動によって発生する物音の影響を、他の住人よりも受けやすいことを意味している。本当に壁が薄い家には住むべきではない。さっさと出ていきたいくらいだ。

そしてもう一点、これは致命的なストレス要因となる可能性があるのだけれど、新しい隣人は寝ている最中に鼾を発する人間らしいのだ。
昨夜、妙に響く音が聞こえてきて最初は不思議に思っていたのだが、よく耳を澄ませると、それは鼾に他ならなかった。実家で親が発していたのと大差ない、呼吸の間隔でグゥグゥと空間を震わせるそれは、紛れもなく私の睡眠を妨げる。
実家では親の寝室と自室との間にそれなりの隔たりがあったから、ほとんど気にすることはなかったけれど、今の環境はベニヤ板のような薄い壁で仕切られただけの、安い構造の住まいだ。特に深夜の静かな時間帯では、当たり前のように音が耳に入ってくる。

 

結局、隣人について書こうとすると、音の話ばかりになってしまう。
今後、フィクションのように個人的な関わりを持つことなんて一生ないだろうし、できる限り影響し合わないことが落ち着いた生活を維持していくために肝要なので、こうしたストレス源の早期発見は悪いことではない。
もっとも、隣人の性質を知っていたとして、壁が薄すぎて対策しようもないのだけれど……もう少し好ましい物件に移れるように努力するのが、最も手早い方法なのかもしれない。
そういう意味でも、頑張らねばならない。