K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

隣人迷惑番外編

一昨年の冬から何度も書いてきた隣人からの迷惑について、久しぶりに続編を記そうと思う。
過去には深夜に大騒ぎされたり、あるいは日常における盛大な生活音によるストレスが限界を迎えたり、音に対して過敏に神経質な私にとって苦しい状況を語ってきたけれど、今回は少し傾向が異なる。
人によっては大した問題ではなく、実際この程度の事象では管理会社へ連絡するのは憚られるため、仕方なくここに気持ちを吐き出す形だ。

 

健全に食事を摂ることが難しいという話を定期的に書いている私が言うのもおかしなものだが、世の中の平均的な人間と比べたら、私は一部の側面において至って健康的に生きている。
何しろ、飲酒は一切しない。まったく飲めないというわけではないけれど、アルコールを美味しいと思ったことはなく、あれは飲み会などで周囲の雰囲気に合わせて自らの調子をチューニングするためのツールだと捉えているから、一人きりの時間ばかりの生活では需要が発生しないのだ。
基本的に、口にする飲み物はお茶とコーヒーだけで間に合っている。わざわざ、不健康だとわかっていて、身体が欲しないものを取り込む必要はない。極論、あれは毒なのだから。

まぁ酒の話は置いておくとして……より身体に悪影響を及ぼす嗜好品としては、やはり煙草が代表的だろう。
昔から本当に駄目だった。外で喫煙している人間を見かけると状況を問わず強い嫌悪感を覚えるし、このご時世に路上喫煙をしている頭のおかしな連中に接近してしまった時には……特に歩行中、その手のキチガイが前方を歩いていることに気づいた時には……冗談ではなく殺意すら湧いてくるのだ。
一目で、自分とは違う世界で生きている、まったく異なる人生を辿ってきた、決して価値観が交わることがないであろう別人種ということが理解できる。
己の欲求を満たすために他者への迷惑を考慮することのない、ロクでもないバケモンだ。
関わったら余計に被害を受けそうだから、内なる殺意に促されて近寄るということは絶対にないけれど、心の底から死んでしまえと思える存在は他にないと思う。

もちろん、ルールとマナーを守って喫煙所で吸っている人間に対して、とやかく言うつもりはない。
そろそろ彼らも社会的に立場が厳しくなっているから、許された空間で羽根を伸ばすこと自体は咎められるべきではないし、むしろ外界で暴れられては困るから喫煙所そのものは維持してほしいと思っているくらいだ。
もっとも、喫煙所から出てきた人間から漂う強烈な副流煙臭については、どうしたって不快感を示さずにはいられないけれど。

 

前置きが長くなったが、主張したいことは単純だ。
隣人が喫煙者というのは、これまでの民度の低さから不思議ではないことで、それだけなら私も気にすることはなかった。
確か、賃貸の契約時点で喫煙するかどうか尋ねられた覚えがあるけれど、出ていく時に消臭やら洗浄やら諸々のクリーニング費を支払えば問題ないのだったか……自身が吸わないので詳しく把握していない。
きっと室内は、吸わない人間にとっては息苦しいほどに煙草の異臭が蔓延していることだろう。吸っている本人は気づかないのだろうが。

しかしながら、このところ隣人の喫煙事情に文句を言いたくなっている。
煙が壁を貫通してくるわけではないから、本来なら問題になることもなかったはずなのだけれど、なんと隣人の煙草が私に若干の影響を与える現象が発生した。
原因は、換気扇だ。
換気扇の構造は、各室内の個別のダクトを通じて外部に排出する一般的なものだと思うが、排気口は隣と非常に近い距離感で設置されている。
要するに、これは隣の部屋から出た副流煙が、近くにある私の部屋の排気口から逆流してきているらしいのだ。24時間換気のために、風呂場や洗面所の換気扇を常に回しているのだけれど、そうすると気圧の関係で、キッチンにある換気扇は空気を取り込む経路になってしまうらしい。
居室とは扉で隔てられているから、生活時間の大半に無関係の問題ではあるものの、食事の用意やトイレのタイミングでは副流煙流入した空間に入ることになるため、しばしば気分を悪くさせられる。

なぜ音による刺激だけでなく、空気の汚染まで受けなくてはならないのだろうか。
シンプルに許しがたい。隣人の突然死を何よりも願っている。

対策案は、管理会社に訴える以外だと、あらゆる換気扇を完全に停止させることだが……それはそれで空気の滞留を招いて、別の意味で気分が悪くなるに違いない。
冬ならともかく夏は特に熱気がこもりやすいし、隣人から与えられる不快感はもう、どうにもならない気がしている。
隣人ガチャに成功したい人生だった。